東京ビックサイトで開催された第3回ウェアラブルEXPOは、ウェアラブルを業務活用したい企業や技術者とメーカーやベンダーが商談するための展示会のため、BtoB向けのウェアラブルが多かったのだが、特にメガネタイプのウェアラブルデバイスが多く展示されていた。
さらに最近話題になった「着るセメダイン」や、ヤマハの指の動きを可視化する「グローブシステム」などにも人が集まっていた。
東芝 メガネ型ウェアラブル端末 Wearvue(ウェアビュー)

主にビジネスシーンで利用するメガネで、レンズ越しに情報を投映しハンズフリーでの作業を可能にする。
これまでは、全国にある保守現場に技術と知識を兼ね備えたエキスパートが出向き対応する必要があったフィールドサポートも、このWearvueをつけることでどんなスキルの人でも遠隔で支援ができるようになる。
さらに倉庫内でのピッキング作業がハンズフリーになったり、スポーツ観戦時に鑑賞ガイドや字幕などを表示することもできる。
メガネスーパー メガネ型ウェアラブル端末「b.g.」

今回展示されたのは、プロトタイプ実機。JINSに続きメガネメーカーから発売されたメガネで、最近リリースされたプロダクトのためか注目度も高く、長蛇の列ができていた。
JINS MEMEはメガネの付け心地や見た目にこだわり「あくまで見た目は普通のメガネ」を追求し、ディスプレイをつけることをはじめから考えず一般消費者向けに販売したのに対し、メガネスーパーは「ディスプレイをハンズフリーにすること=メガネにディスプレイをつけること」と捉え、主にビジネス用途で視覚拡張のウェアラブルを開発した。
メガネメーカーがウェアラブルメガネを作ったということで、他の多くのウェアラブルメガネは片眼視のものが多い中、見え方のクオリティを追求し両眼視を前提とした設計になっている。
「b.g.」は、ハンズフリーで作業指示に従うことができるので生産性を大幅に向上させる物流ソリューションや、ゼンリンデータコム社が保有する多言語対応した地図データを利用し、インバウンド顧客向けのソリューションとしての活用なども検討し「b.g.」の導入希望企業や、開発パートナーを募集している。
brother 業務用ヘッドマウントディスプレー AiRScouter(エアスカウター)

工場内での組立作業支援や、遠隔作業支援を目的とした業務用のウェアラブルデバイス。その他、ドローンの操縦支援として、ドローンから送られてくる映像を確認しながら操縦ができたり、巡回警備中に、監視カメラの映像を確認しながら館内をチェックすることができる。
独自の光学設計で明るくてシャープな高解像度を実現した液晶パネルを搭載。ヘッドマウント型なので、メガネをかけていても装着することができる。
B2B向けウェアラブルグラス「InfoLinker」

産業用途用として開発された、作業の邪魔をせず装着の負担を減らすため、可能な限りコンパクトになるよう工夫を凝らしたウェアラブルグラス。Andoroid OSを搭載し、スマートフォンやタブレットによる操作をおこなわなくても本体だけで使用できる。
販売元は、菱電商事株式会社、開発・製造元は、ウエストユニティス株式会社が行っている。
着るセメダイン
低温硬化形の導電性ペースト 『セメダインSX-ECAシリーズ』を用い、服飾デザイナー・製作パートナーと共に、風合いを損なうことなくテキスタイルに直接回路形成し、 直接LEDチップを多数実装した「着るセメダイン」が展示されていた。
様々な素材への接着ができるため、上記のようにシリコンゴムやフィルムにも回路形成ができる。
YAMAHA 指の動きを可視化するグローブシステム
ヤマハは、ゴムのように伸縮する変位センサーを開発した。
今回の展示はそのセンサーをグローブに装着して、ピアノを弾く人の指の動きをリアルタイムでモニタリングするものだった。例えばプロのピアニストの動きをモニタリングし、生徒が同じように弾くことで上達することができるというような教育用途にも検討しているという。
この技術を応用して、イメージエンジニアリングのCRESCENT社が開発したのが「ハンドアセンブルVR」だ。

センサグローブと光学トラッキングシステムViconを組み合わせ、オキュラスリフトのVR空間内に表示されたブロックを動かすというデモンストレーションを行っていた。
ブース担当者によると、この用途としては、何かの組み立て作業の練習などがVR内でできるのではないか、ということだった。
【関連リンク】
・第3回ウェアラブルEXPO
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