近年、現実世界にデジタル情報を重畳表示するAR・MRデバイスの高性能化、低価格化により、世界的にも多くのビジネス向け事例が積み重ねられている。その中でも、AR・MRにおいて市場として高い成長性が予測されているのが中国だ。
一方、製造業では、世界各国の企業の工場が中国に集まっており、それらの工場では従業員のジョブホッピングが頻繁に発生しているため、教育やトレーニング、現場支援が大きな課題となっている。しかし、伝統的な方法では時間とコストがかかり、企業の既存のナレッジデータを十分に活用できていない。そこで、3Dデータの活用で直感的にトレーニングができ、ベテランが持つノウハウも可視化することができるMR技術の活用が期待されている。
TIS株式会社とDataMesh株式会社は、現実空間とバーチャル空間を融合させて3Dの立体映像を映し出すMR技術を活用したビジネスで協業することを発表した。
協業の第1弾として、DataMeshの本社である北京商詢科技有限公司(以下、北京DataMesh)とTISの上海現地法人である提愛斯数碼(上海)有限公司(以下、TISI上海)が戦略的パートナーシップ契約を締結し、製造業やサービス業などの現場トレーニングや保守点検業務でのMR技術活用に向けた共同マーケティングを中国で開始する。
共同マーケティングにおいて、TISI上海は製造業・サービス業を中心に、現場トレーニングや保守点検業務の新たな解決策としてDataMeshが開発した3Dトレーニング教材の作成・視認ソリューション「DataMesh Director」などを提案し、ニーズ発掘と製品テストを行う。北京DataMeshは、中国および日本の市場でMRソリューションの展開と受注開発を行っており、TISI上海の提案活動の技術的なサポートを担う。
今後、TISとDataMeshは中国での共同マーケティングを経て、日本市場やTISが拠点ネットワークを持つASEAN地域への展開を目指す。また、これらのビジネス展開に加えて、MR技術をAIやIoTなどの技術とも連携させるデジタルツイン(※)の実現によって幅広く産業に貢献できるソリューションの共同開発も展開していく計画だ。
※ 物理空間の機械設備やそれに伴うプロセス情報を、3D CADやIoTなどを活用してデジタル空間に送り、デジタル空間内に物理空間の環境を再現すること
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTNEWSの運営母体である、株式会社アールジーン、コンサルティング事業部コンサルタント。IoTに関する様々な情報も取材して、皆様にお届けいたします。