ラスベガスで開催されているCES2020レポートの第三弾は、XRとドローンについてだ。
昨年までの流れでは、一部ヘッドマウントディスプレイと、360度カメラばかりが展示されていた。
しかし、今回、中国企業を中心に、展示が増えている傾向にあった。
MRは医療における学習を意識、VRはゲーム機での利用が展開される
まずXRというと、AR(拡張現実), VR(仮想現実), MR(複合現実)の3つがあるわけだが、MRについてはマイクロソフトのHoloLensが知られている。
今回の展示では、HoloLensのように指でピンチアウトして映像を拡大したりするような高機能なものではないが、操作そのものはコントローラーで行うものだ。
体験してみてよかったのは、視界が広いということに尽きる。コントローラーの操作は慣れれば簡単なので、両手がふさがるという問題はあるものの、学習用には十分なクオリティであった。
ARはメガネ調のものが増えてきた
XRのヘッドマウントディスプレイは、とても大袈裟なので、ちょっとつけるのが嫌だなと思う方もいるだろう。
現実と重ねることが目的のARは、KDDIとも提携しているNReal Lightが登場して以来、メガネ型が増えてきたという印象だ。
上は、NReal Lightを使ってMRショッピングをする体験ビデオ。MESON社が制作。
こういったXRの製品は、処理能力を高めようとするとPCで処理を行い有線接続をしたり、メガネ部分とは別にスマートフォン大の処理デバイスが別で必要だった。しかし、NRealであれ、am glassであれ、かなり小型の処理デバイスで体験を行うことができるようになっている。
コンシューマー向けARというと、ゲームでの利用が考えられるが、上の写真のように気軽に楽しめそうなものも登場してきている。
体験してみると、まだ、メガネ自体に熱を持ったりするものもあり、改善の余地はあるものもあるが、利用が進みそうな兆しを感じた。
上の写真は、香港のスタートアップam glassのARメガネだが、メガネを通して現実世界も見ることができるので、デモでは空を見上げると星空がみえるというものを展示していた。
写真からもわかるように、前方のカメラが空間マッピング上での位置をとらえるのだが、この製品は真ん中にもカメラがついている。これにより精度を高めているのだ。
また、Qualcomm Snapdragon 835チップを使っているということで、処理性能も高く、今後注目したいデバイスだ。
また、中国のnoloという企業が展示していた製品は、Galaxy Gearのような一般的な3DoFのVRヘッドマウントディスプレイに、後付けでHMDの位置即位用のデバイスと、手持ち用のコントローラーと、それらの位置を決めるための位置決めデバイスを提供することで、家庭で簡単に6DoFのゲームなどが楽しめるようになるというプロダクトだ。
実際にプレイしてみると遅延もなくとても軽快にゲームを楽しむことができた。
参考:NOLO VR
VRに関しては、ゲームなどを楽しむレベルであればよいものから、つけた人の視力や目の間隔にあわせて、矯正し、詳細に見えるようにするようなものまで、様々なレベルのものが登場してきている。
視力を意識するようになると、当然ヘッドマウントディスプレイをつける前に、目の検査をする必要があり、家庭用VRでもこのレベルのことを必要とされるような時代が来るのかどうかは現状なんとも言えない。
しかし、5Gが当たり前になり、高精細な映像が、広い視野角の中で展開されるようになれば、遠くにある文字や、物体を、きちんと認識できる必要性も生まれてくる可能性は高い。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。