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AR/MR ーDXキーワードテスト

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特集「DX KEYWORD TEST」では、DXで必須となるキーワードに関するテストを実施。

さらに、4枚の図を使って、サクッと解説します。今回のキーワードは「AR/MR」。全問正解目指してがんばってください!

100点を目指そう!DX KEYWORD TEST(10)

DX KEYWORD TEST第十回は、「AR/MR」について。

解説編

ここからは、DX KEYWORD TESTの設問を図解していきます。
全部読んだら、再度問題にチャレンジしましょう!

リアルとバーチャルを融合する技術、AR/MRとは

リアルとバーチャルを融合する技術、AR/MRとは

新しい家に引っ越すとき、家具も新しく買い替えることがあります。

家具を買い替えるときは楽しくもありますが、悩みもつきものです。というのも、「これだ!」と思った家具があっても、サイズが部屋にあっているのかどうか、インテリアに馴染むのかどうかといったことを考えなくてはならないからですね。

実は、こうした悩みをテクノロジーの力を借りて解決することができます。

家具メーカーIKEAは「IKEA Place」という、部屋のなかにIKEAの家具をバーチャルな形で設置することができるアプリを提供しています。

使い方は簡単です。アプリを起動し、気になるIKEAの家具を選び、設置したい場所に向けてスマートフォンのカメラをかざします。そうすると、スマートフォンの画面を通じて、目の前に家具(実際は3DCG)が置かれているように見えます。

3DCGの家具はいたずらに表示されているわけではありません。センサーによって部屋の広さを認識しているので、目の前の現実環境を踏まえて実寸大で表示されます。

家具のサイズは適切か、部屋のデザインに合っているかを、あっという間に、しかも家から一歩も出ずに分かってしまうのというのが便利です。

さて、本題に入りますが、このように、スマートフォンなどのフィルターを通じて、現実の見え方に情報を加えたり、重ねたりする技術のことを、AR(エーアール)といいます。

もっと簡単にいうと、リアルにバーチャルを組み合わせる技術のことだと覚えてください。

なお、ARと一緒に登場する言葉としてMR(エムアール)、VR(ブイアール)というものがあります。

AR・MR・VRの違いは、「リアルとバーチャルがどの程度の比率で混ざり合っているのか」です。この考え方はトロント大学のポール・ミルグラム氏によって唱えられました。

どういうことなのでしょうか。

空間は、我々が日常生活を営む現実空間(リアル)と、オンラインゲームのような仮想空間(バーチャル)の2つあると考えるのが一般的です。しかし、実は第三の空間も存在しているのです。つまり、リアルとバーチャルが交じり合った中途半端な空間の存在です。

この中途半端な空間を、人によっては「拡張現実(AR)」と言ったり、「複合現実(MR)」と言ったりするのですが、ここではそれらは厳密に定義せず、「AR/MR」とひとまとめに呼ぶこととします。

一方、現実空間と全く混ざっていない仮想空間は「VR」とされています。

最後に、これらAR・MR・VRを総称して「XR」と表現します。混乱してしまうかもしれませんが、読み方は色々あり「エックスアール」「クロスリアリティ」「エクステンデッドリアリティ」と言われます。種類がたくさんありますが、どれも同じ言葉を指します。

さて、今回は、そんなXRの中でも、リアルとバーチャルが混ざり合っているAR/MRについて、詳しく解説していきます。

AR/MRってどうやって動作するの?

AR/MRってどうやって動作するの?

AR/MRがどう動作しているのか?を理解するには、AR/MRの特徴を理解しておくとよいと思われます。

AR/MRの特徴は、「いま、ここ」の現実世界において動作する、ということです。この特徴をどんなふうに活かすかで、AR/MRコンテンツの価値が決まります。

紹介した家具の試し置きアプリは、「いま、ここ(自室)」で家具を見れるようしたことで、買い物客の往年の悩みであった購入後のミスマッチを防ぐという課題解決にもつながっている点が、特徴をうまく活かしていると言えます。

さて、以上の特徴を踏まえ、AR/MRの仕組みを、4つのステップに分けて解説します。

①デバイスが現実を認識する。(センサーなど)

AR/MRは現実世界をベースにして動作するものなので、最初に現実を認識しなければ話は始まりません。現実を認識するというと大変そうに聞こえますが、そんな大げさなことをやるわけではないです。

AR/MRアプリでは、あらかじめ〇〇という現実の情報を取得したら、××というコンテンツを表示するというように設定されています。〇〇をトリガー(きっかけ)と表現することがあるのですが、このトリガーはさまざまです。

「IKEA Place」のような家具試し置きアプリは、スマートフォンのカメラとセンサーを利用して、部屋の広さや物体などのデータを取得することがトリガーとなり、実物大に近い3D家具が表示されます。「SNOW」のようなカメラアプリは、人の顔を映すことがトリガーとなり、人に犬やうさぎの耳を付けたりします。

他にもQRコード、画像、建物など、あらゆるモノが潜在的にトリガーとなる可能性を秘めています。

②デバイスがサーバーにコンテンツを要求。

デバイスが現実世界の何らかの情報を読み込んだら、その情報に紐づけられたコンテンツをサーバーに要求します。家具の試し置きアプリでいうところの椅子の3D家具がコンテンツになります。

③サーバーがコンテンツをデバイスに送る。

サーバーはデバイスから要求を受けたら、その要求通りにコンテンツを送信します。

④デバイスがコンテンツを現実の風景の上に表示させる。

デバイスは、現実の風景の上に重なるように、コンテンツを画面上に表示させます。このとき、重ね方に違和感があるとAR/MRの体験として良くないものとなってしまいます。例えば、3D家具が空中に浮いていたり、床に埋まってしまっていたりするイメージでしょうか。

これを避けるために、デバイスはカメラやセンサーを駆使し、画面上のどの位置でコンテンツを表示させるのかを決めています。

さて、ここまでがAR/MRの仕組みとなりますが、これを実現させているハードウェア(デバイス)はいくつか種類があるということも簡単に紹介しておきたいと思います。

AR/MR体験を実現するハードウェア(デバイス)は大きく分けて、手持ち型、装着型、環境設置型の3タイプです。それぞれ長所と短所があります。

手持ち型は、タブレットのようなものも含みますが、いわゆるスマートフォンのことだと思ってください。長所は、既に普及しているデバイスであるため、AR/MR体験の作り手にとっても、受け手にとってもデバイスを新たに調達する必要がないことです。短所は、スマートフォンの画面の範囲でしかAR/MRを体験できないことです。

装着型は、文字通り体に身につけるデバイスのことです。マイクロソフトが開発している頭に装着するタイプのHoloLens(ホロレンズ)が有名です。長所は、ハンズフリーであることや、手持ち型と違って、視界全体に働きかける体験が可能となることです。短所は、スマートフォンと比べて高価なため、デバイスの調達のハードルが高く、普及されていないことです。

環境設置型は、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングのようにユーザーが手で持ったり、体の一部に装着したりといったことが必要のないデバイスです。長所は、ユーザーがデバイスを用意する必要がないということや、多人数での体験が可能という点です。短所は、セッティングが大がかりになってしまうことです。

AR/MRで産業はどうアップデートされる?

AR/MRで産業はどうアップデートされる?

AR/MRの特徴や仕組みわかったところで、産業でAR/MRがどのように活用されているのかみていきましょう。映像産業振興機構が公表している「AR等のコンテンツ制作技術 活用ガイドライン 2020」で紹介されている5つの活用分野を実際の産業課題に紐づけながら紹介していきます。

作業支援

エアコンの修理や点検サービスを行う事業者にとっての課題は、作業者によって提供するサービスの品質が異なること、です。エアコンの修理や点検は難しく、室内機は大きさやメーカーによって、形状や内部の部品が異なりますし、室外機も基板やコンプレッサーなど様々な部品が搭載されているため、作業手順は複雑になります。そのため、作業員の経験値によっては、スピーディーに作業を行えなかったり、作業ミスが発生したりと、サービスの質にばらつきが出てしまう可能性があります。

そこで作業者を支援するために、修理や点検を行うエアコンの種類に合わせて、必要な手順がコンテンツ表示されるAR/MRサービスが提供されています。タブレットに映し出される作業現場の映像に、作業場所・箇所、作業手順などを重ねて表示されます。作業員の経験値に左右されることなく、修理や点検のサービスを提供することができます。

訓練

建設現場では、作業員が足場から転落してしまうことを防ぐため、足場の点検作業が義務化されています。点検作業を行うには正しい知識と経験が必要となるため、これまでは、実際に足場を活用して点検の訓練をしてきました。しかし、実際に足場を設営するにはコストがかかりますし、天候が悪いと訓練はできないといった制約がありました。

そのような課題を解決するため、屋内の安全な場所で、実際に足場を設営せずとも訓練ができるAR/MRサービスが登場しています。例えば広い会議室のようなところで、足場のコンテンツを映し出し、そのコンテンツをもとに足場点検の方法や、危険な箇所を探す訓練を行えます。これにより、実際に足場を設営する手間もなくなりますし、天候に影響されず、いつでも訓練が可能になります。

ナビゲーション

大きな商業施設では、目的のお店やトイレの場所などがわからず、迷ってしまうことがあります。一方、スタッフも道案内に時間を割かれてしまうと、本来の業務に集中することができません。

そこで、来店者が、AR/MRを活用したナビゲーションを利用することにより目的地までスムーズに辿り着くことができるようなります。スタッフも道案内を頼まれることが減り、本来の業務に集中できます。つまり、顧客満足度の向上と、業務の効率化が期待できます。

ショッピング・コスメティック

冒頭から紹介している家具の試し置きアプリが良い例でしょう。ユーザーは家具の雰囲気やサイズを本当に自分の部屋に置いているかのように試すことができますので、購入後のミスマッチを防ぐことができます。もちろん、メーカーにとっても、返品を減らすことができるため、返品にかかるコストの削減が期待できます。

化粧品業界でもAR/MR活用が進んでいて、ブランドコスメのバーチャル試用というのも登場しています。

エンターテイメント

これまでの映画は、視聴者が完成されたストーリーを外から見るという形で楽しむしかなく、映画の製作関係者は、それ以上の体験を生み出すことが出来ませんでした。

しかし、AR/MRを活用することで、映画に登場するキャラクターを現実世界に映し出すことが出来るようなりました。ユーザーにとっては、まるで物語が現実になったかのように感じられ、映画を視聴する体験とは異なる楽しみを味わうことができます。

このように、AR/MRを活用することで、様々な産業で新しい価値が生まれています。

倉庫のピッキングをAR/MRで効率化、ウォルマートの取組み

倉庫のピッキングをAR/MRで効率化、ウォルマートの取組み

アメリカに本社を置くスーパーマーケットチェーン、ウォルマートは食品や日用品だけでなく、衣料品や家電、化粧品、植物などあらゆる商品を販売しており、24カ国で10,635店舗を展開しています。(2023年2月時点)

お目当ての商品を買いにスーパーに行ったものの、売り切れてしまっていた、というような経験はありませんか。

この「売り切れ」の正体が、「在庫切れ」ではなく、「陳列が間に合っていない」としたら、売り手にとっては、本来は売りさばけたはずのものが売れずに残ってしまうことになりますので機会損失となるでしょう。

ウォルマートの店頭には通常12万種類もの商品が陳列され、およそ1万5,000箱の在庫を倉庫に保管するそうです。この大量の在庫があるがゆえに、ウォルマートでは、店頭へ商品を補充するのが遅れてしまっていたそうです。

そこでウォルマートは、AR/MRアプリを利用して、倉庫にある商品を店頭に出す「倉庫ピッキング」という作業の効率化を行いました。

AR/MRアプリの使い方は簡単です。倉庫ピッキングの作業者が、倉庫の棚にスマートフォンを向けると、ピックアップしたいアイテムに緑色のチェックマークがつきます。いままでは、商品1点を見つけるのに平均2.5分かかっていたところ、42秒まで短縮することができました。

しかし、作業者が広々とした店舗の中から欠品を把握するのは大変です。そこで、AR/MRアプリは店頭の在庫情報と連動することができるそうです。「何が足りないのか?」を把握せずとも、倉庫の棚にスマートフォンを向けるだけで店頭に補充すべき商品が分かるわけですね。

なお、このアプリの仕組みは非常にシンプルで、倉庫にある箱ひとつひとつにQRコードのようなタグが貼り付けられています。それをスマートフォンがカメラで読み取ることで、商品を認識しているというわけです。

このアプリは店頭の欠品を減らすことができるということで、ウォルマートの3,500店舗に導入されているそうです。

100点を目指そう!DX KEYWORD TEST(10)

DX KEYWORD TEST第十回は、「AR/MR」について。

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