Googleは10/3サンフランシスコで、新しいGoogle製のスマートフォン”Pixel”や、スマートホームのハブとなる”Google Home”などについて発表した。
CEO サンダー・ピチャイより
冒頭、イメージビデを見せながらこれからは「AIファースト」となると述べた。AIといっても様々なジャンルがある。凄まじい勢いで増える画像データやテキストデータ、これらを関連づけ学習することで、「ナレッジグラフ」と呼ばれる、AIが参照できる知恵は、すでに700億以上の事柄と関係性について理解していると述べた。
さらに、画像認識レベルの向上や、音声認識レベルの向上などからも目が離せないといえよう。
Googleでは、これらの要素技術を、ソフトウエア、ハードウエアに発展させているのだ。
次世代スマートフォン Pixel
Googleが発表したスマートフォンは、先進技術がふんだんに取り入れられており、スペックはかなり高いと言える。その中でもIoT/AI関連におけるポイントとしては、先述したAIやナレッジグラフを駆使したGoogle Assistantの機能に関しては一見の価値があるといえる。それは、AIの学習には大量のデータが欠かせないからだ。
しかも、Googleが持つ大量のデータや、地図、動画、音楽、といった様々な情報、UberやSpotifyなどの他企業サービスとの連携を考慮するとその可能性は無限大とも言える。
Greek Theatreで、何が行われているか?を聞いてみると、その一覧が表示される。
Greek Theatreまでの道順も教えてくれる。さらには近隣のレストランの予約もOpen Tableを通して可能となるのだ。
10月に撮った写真を見せてくれ?というと、写真が表示される。
その場でテキストメッセージも送信することができる。
そんなことは、以前からもできたのではないか?と思う方もいると思うが、これらの一連のやりとりを一つのインタフェースでできることが重要なのだ。
この一覧のやり取りに自然言語対話を加えると、スマートホーム “Google Home”にもなる。
スマートホームのハブとなる Google Home
実際、音楽や動画の再生、音声での今日のスケジュールの読み上げや、交通情報の解説などスマートフォンでできている指示に対する対応はスムーズにできている。
キャンプのグッズを買う場所を聞いたり、ワインの知識を聞いたり、動物の鳴き声、他言語で発音などを聞くこともできる。
もちろん、スマートホームのハブというくらいなので、他社製品ともリンクする必要があるのだが、代表的なサービスとの連携はできているものの、まだまだこれからといった感は否めない。
連携できる他社スマートホームサービスは、nestはもちろんのこと、SmartThingsやPhilips, IFTTTなどがあげられた。
また、連携できる他社エンターテイメントサービスは、これらのサービスがあげられた。
デバイス連携という意味では、自社製となるChorome Castを通してテレビに出力したり、Pixelに表示したりすることも可能ということだ。
Google製のVR DayDream VR
SamsungのGalaxy Gear VRにつづき、GoogleもVRのヘッドセットをリリースするということだ。このヘッドセットはこれまでの無機質な質感ではなく、つけ心地がよいということと、スマートフォンの着脱が簡単だという特徴がある。
さらに、このヘッドセットには特別なコントローラーがあり、コントローラーを操作することでVR内の空間でのアクションを支援する。
これはゲームの画像だが、コントローラで敵を撃つことができるのだ。
また、Google Street Viewと連携することで、行ったことのない史跡名勝にも簡単にいくことができる。この機能はとても面白い。実際に旅行にいかなくとも先にその景色を予習したり、行き方を事前にイメージとして知っておくこともできるからだ。
他にも、進化したChrome CastやGoogle Wifiと呼ばれるルーターなども発表があったが、徐々に我々も手に入れることができるようになるだろう。
Google Assistantに注目
冒頭にも述べた通り、AIの発展には教師データが欠かせない。これまで我々の生活でも単なる情報の検索だけでなく、地図の情報や音楽の情報など、彼らが集める多くのデータのお世話になってきている。
これらの「ナレッジグラフ」を効果的に我々の前に提示するには、AIの力が欠かせない。
検索窓に適当なテキストを入力しても、知りたい事柄を的確に提示してくるGoogleの検索エンジンにはいつも驚かされるが、今後はそういった精度でテキスト以外の情報に関してもスマートに提示してくれるようになるだろう。
IoTにおいてスマートデバイスを開発している企業は、なんでも自前でつくるだけではなく、必要に応じてGoogleのAIとの連携を視野に入れることも重要になるのだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。