デンソーウェーブ株式会社、ベッコフオートメーション株式会社、株式会社エクサウィザーズは、多指ハンドを装着した双腕型ロボットアームをディープラーニングでリアルタイム制御し、不定形物を扱う複数の作業を同一のロボットアームで実現する「マルチモーダルAIロボット」を3社共同で開発したと発表した。
従来のロボットシステムでは、多指ハンドを装着した双腕型ロボットアームで、不定形物を扱う複数の作業をロボットに実行させるためには、莫大な量のプログラムを組む必要があった。
しかし今回開発されたマルチーモーダルAIロボットには、ユーザーによるプログラミングは存在せず、ディープラーニングとVR(バーチャルリアリティ)技術を用いることで、人が人に作業を教えるのと同じようにロボットに作業を学習させることが可能になるという。
VR技術とロボット操作を連携させ、全天球カメラを利用した視覚と触覚に訴えるVRティーチングシステムによって、双腕型ロボットアームの軌道を直感的に教えられるようになる。それにより、記録された軌道とロボットアームやハンドから得られるセンサー情報をロボットに学習させることで、複雑なプログラムを組むことなく、人の作業を覚えさせることができるという。
また今回の開発案件は、他にもベンチャー企業であるイクシー株式会社から多指ハンドの提供を、AIロボットの研究で知られる早稲田大学理工学術院の尾形哲也教授からの助言を受けるなど、産学連携のオープンイノベーション事例である。
【関連リンク】
・デンソーウェーブ(DENSO WAVE)
・ベッコフオートメーション(BECKHOFF)
・エクサウィザーズ(ExaWizards)
・イクシー(exiii)
・早稲田大学基幹理工学部表現工学科 尾形哲也研究室
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。