AI技術を活用したコミュニケーションプロダクトを開発するモビルス株式会社は、チャットボットPDCA学習プラットフォーム「モビコンソール」を開発した。「モビコンソール」は、チャットボット向けのAI教師データ管理、継続的な学習(チューニング)を支援するプラットフォームで、一般的な学習フローに比べて最大50%程度の効率化(※1)を可能にするという。
昨今、働き方改革や人材不足を背景に、チャットボットが様々な業界で企業への導入が進んでいる。そんな中、導入企業が抱える課題として、「教師データ作成」や「回答精度の向上」があげられる。
具体的には、チャットボットの回答精度が上がらず、精度向上のためにチューニングを専門の業者に委託する場合コストがかさんでしまう点や、データ管理が難しく、AI学習のキモである教師データのバージョン管理で混乱してしまう点など。これらは多くの場合、AI専門の知識が必要不可欠なため、専門のコンサルタントやエンジニアに頼らざるを得なかった。
「モビコンソール」は、そんな専門家によるAI学習プロセスやデータチューニングのノウハウを分析、そのエッセンスを機能化することで、AIを専門としない企業の担当者でも、自らPDCAベースでチャットボットを賢くしていくことができるAI学習プラットフォーム。現状のチャットボット運用の現場の悩みを解決し、AIのノウハウを蓄積したいという自社運用ニーズに応えるために開発されたものだ。
さらに将来的には、統計処理を施した顧客の膨大な対応ログやAIの教師データをベースとして、チャットボットの教師データ作成支援を強化する機能開発もスコープに入れているという。
2018年10月1日より、一部の基本機能が利用可能なモビコンソールβ(ベータ)版を月額10万円(税別)のトライアル価格で提供開始される。また今後、アップデートを進め、2019年1月を目途に正式版(価格未定)をリリース予定。
モビコンソールの主な特長は以下の通り。
- ひとつの教師データで複数のAIに対応、簡単にAIの切り替えや乗り換えができる
- AIベースの独自の学習プロセスにより、AIの専門家でなくても回答精度を高めることができる
- データ作成、チューニングを自由に試せるテスト環境と、本番環境の切り替えができる
- 複数担当者による学習などで、 混乱しがちな教師データのバージョン管理ができる
- ユーザーの入力ワードから質問を予測、自動提案することで誤答率を低下させる
- チャットの対応ログから教師データの候補が提案され、簡単に追加できる
- チューニング後の回答精度の一括テストが可能、教師データの更新内容の差分が確認できる
モビコンソールでは、PDCAベースでAIデータのチューニングを続けることによって、チャットボットの回答精度を高めていくことができる。チャットボットによる自動応答による対応ログに加えて、オペレーターによる有人チャットサポートで蓄積される生の顧客の質問も追加の教師データとして取り込むことが可能だという。
※1 IBM Watson(NLC)を利用して、一連の学習プロセス(教師データ作成・学習・テスト)を行った場合との比較(モビルス調べ)
【関連リンク】
・モビルス(Mobilus)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。