MathWorksは本日、MATLABおよびSimulinkの「Release 2018b(以下、R2018b)」を発表した。
このリリースでは、製品ファミリー全体にわたる新しい機能の追加やバグの修正がされたほか、ディープラーニングの機能が大幅に強化された。Neural Network Toolboxに代わる新しいDeep Learning Toolboxでは、エンジニアや科学者にディープ ニューラル ネットワークの設計と実装のためのフレームワークを提供する。
画像処理、コンピュータ ビジョン、信号処理およびシステム関連のエンジニアは、MATLABを使用することで、複雑なネットワーク アーキテクチャをより容易に設計することが可能となり、ディープラーニング モデルのパフォーマンスを改善できるようになるという。
MathWorksは2018年7月に、相互運用性への取り組みを示すためにONNXコミュニティへの参加を表明し、MATLABのユーザーと他のディープラーニング フレームワークとの間のコラボレーションを可能にした。
R2018bの新しいONNXコンバーターを使用することで、PyTorch、MxNet、および TensorFlowといったフレームワークからモデルをインポートおよびエクスポートすることができる。この相互運用性により、MATLABで学習されたモデルを他のフレームワークで使用が可能になるという。同様に、他のフレームワークで学習されたモデルをMATLABに取り込んで、デバッグ、検証、組み込み配布などのタスクを実行することもできるようになる。
さらに、R2018bでは、一行のコードでアクセス可能な一連の参照モデルを提供。また追加されたモデル インポーターにより、Caffeおよび Keras-Tensorflowからのモデルの使用が可能になるとしている。
MathWorksは、R2018bにおいて、ディープラーニング ワークフローの生産性と、使いやすさを、以下の通り改善している。
- ユーザーが複雑なネットワーク アーキテクチャを作成したり、転移学習のために複雑な事前学習済みのネットワークを変更したりできるDeep Network Designerアプリ
- NVIDIA GPUクラウド上のMATLAB Deep Learning Containerと、Amazon Web ServicesおよびMicrosoft Azure用のMATLABリファレンス アーキテクチャでクラウド ベンダーをサポートすることにより、デスクトップ機能を超えたネットワーク トレーニング パフォーマンスを改善
- オーディオ、ビデオ、およびアプリケーション固有のデータストアのGround Truthラベル アプリケーションを含むドメイン固有のワークフローのサポートを拡張し、大量の収集データでの作業がより容易かつ高速に
R2018bでは、GPU Code は、NVIDIAライブラリをサポートし、自動調整、レイヤー フュージョン、バッファーの最小化などの最適化を追加することにより、推定パフォーマンスがさらに改善される。さらに、Intel MKL-DNNおよびARM Compute Libraryを使用して、IntelおよびARMプラットフォームの導入サポートが追加された。
【関連リンク】
・マスワークス(MathWorks )
・R2018bダウンロード
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