日本電気株式会社(以下、NEC)は、企業間の安全なデータ連携を実現するオープンAPI(※1)を活用した産業横断イノベーションの研究会「API Economy Initiative」を発足した。
近年、インターネットサービスの発展やFinTechサービスの市場拡大などに伴い、従来の産業構造やビジネスモデルが急速に変化している。こうした中、政府機関では様々な人・モノ・企業などの繋がりによる新たな価値の創出に向け、「Society 5.0(※2)」や「Connected Industries(※3)」などを提唱し、オープンイノベーションに向けた取り組みを推進している。
また、2018年6月に施行された改正銀行法では、金融サービスの創出・拡大に向けて金融機関に対するオープンAPIの導入目標が掲げられるなど、オープンAPIの利活用が期待されている。
同研究会では、オープンAPIの利活用を推進する金融機関や様々な業種の企業が連携し、社会課題の解決や超スマート社会の実現に向けた共創活動を行う。第一弾として、以下2つのワーキンググループを設置し、利用者起点での業務・サービスの検討、オープンAPIを活用したデータ連携方法の設計、プロトタイプ開発とユーザ評価などを行う予定としている。
- 行政・民間サービス手続きのワンストップ化: One Stop Service
内閣府が提供する「マイナポータルAPI」の活用により、行政と民間企業の各種手続きのワンストップ化の研究を行う。金融機関の関連業務から研究に着手し、順次対象業務の拡大を予定。 - 本人確認業務の効率化・高度化:Digital KYC(※4)
株式会社NTTドコモが提供する「本人確認アシストAPI(※5)」の金融業務における利活用の検討や、金融機関間や業種・業界を跨った本人確認業務の共同化に向けた研究を行う。
参画企業は以下の通り。(社名50音順、本年11月12日現在)
- 運営主体
- 日本電気株式会社
- ワーキンググループ参加金融機関
- 株式会社青森銀行
- 株式会社岩手銀行
- 株式会社大垣共立銀行
- 株式会社沖縄銀行
- 株式会社紀陽銀行
- 株式会社セブン銀行
- 株式会社東京スター銀行
- 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
- 株式会社三井住友銀行
- 三井住友信託銀行株式会社
- 株式会社横浜銀行
- ワーキンググループ参加企業
- 株式会社NTTドコモ
(NTTドコモはオブザーバーとしてワーキンググループに参加)
- 株式会社NTTドコモ
また、中部電力株式会社、ヤマトホールディングス株式会社、株式会社マネーフォワードなどの企業の参加が予定されており、より広範囲な業種に跨る研究会に拡大していくという。
※1 オープンAPI(Application Programming Interface):システムへの接続仕様。オープンAPIはその仕様が外部の利用者に公開されているAPI。
※2 Society 5.0:必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会(超スマート社会)の実現を目指す取り組み。(内閣府「科学技術基本計画 第5期科学技術基本計画の概要」より抜粋)
※3 Connected Industries:経済産業省が2017年3月に発表した日本の産業が目指す姿を示すコンセプト。
※4 KYC(Know Your Customer):金融機関の口座開設時やリスクの高い取引を行う際の顧客の身元確認、継続的なモニタリングなどの本人確認業務。
※5 NTTドコモ 本人確認アシストAPI:NTTドコモが保有する本人確認済の顧客情報で本人確認を支援するサービス。
【関連リンク】
・青森銀行(Aomori Bank)
・岩手銀行(The Bank of Iwate)
・大垣共立銀行(OKB)
・沖縄銀行(The Bank of Okinawa)
・紀陽銀行(Kiyo Bank)
・東京スター銀行(TSB)
・ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)
・横浜銀行(The Bank of Yokohama)
・中部電力(CHUBU Electric Power)
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