【概要】
■国内ストレージソフトウェア市場の2015年の売上を868億万円、2014年~2019年の年間平均成長率を4.2%、2019年の市場規模を1,020億円と予測
■2015年上半期の市場拡大の主な要因は、ITインフラの運用効率化/自動化への要求
■ストレージソフトウェアの需要は、ソーシャル、モバイル、IoTなどのデータ活用に取り組み、デジタルトランスフォーメーションを実現する企業の増加に伴い高まると予測
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、国内ストレージソフトウェア市場の2015年上半期の売上実績と、2015年~2019年の予測を発表した。これによると、2015年上半期の国内ストレージソフトウェアの売上は427億3,200万円、前年比成長率は5.0%のプラス成長だった。また、2015年通期の国内ストレージソフトウェア売上を867億6,000万円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2019年の市場規模を1,019億6,800万円と予測している。
ストレージソフトウェアの需要を押し上げているおもな要因は二つ。第一に、ITインフラの運用効率化/自動化への要求が高まっていること、第二に、ソーシャル、モバイル、IoTなどの活用に取り組むユーザーが増えてデータ量が飛躍的に増えていることだ。また、データ保護や可用性対策への支出も堅調で、大企業を中心に災害対策の強化も進んでいる。
ただし、堅調な需要とは裏腹に、ストレージソフトウェアの供給サイド、特にストレージシステムのベンダーから提供されているストレージソフトウェアの動向には不確定要素が見えている。つまり、ベンダーがより高度な機能をソフトウェアとして提供し続けることが確実である一方、それをどのような価格戦略、製品パッケージで提供するのかについては幾通りかの方針選択があり得る。ベンダーがストレージビジネス全体の競争力強化を考慮した場合、ストレージソフトウェアのスイート化や標準搭載が増える可能性があり、その場合にはストレージソフトウェアとしての売上は下がる。ストレージソフトウェアの機能進化や高度な機能の普及と市場の売上規模の拡大は必ずしも同調したペースとはならないだろう。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの鈴木 康介は「デジタルトランスフォーメーションに成功し、競争力を増す企業が増えていく中で、多くの国内ユーザーはデータ活用の促進を図るであろう。これまでとはスケールの異なる大容量データを扱う企業も増え、ストレージインフラはソフトウェアを高度に利用した洗練された仕組みへと改革されるとみられる。また、Software-Defined Infrastructureを志向し、運用の自動化を進めるユーザーが増えることもストレージソフトウェア機能のニーズを高めるが、統合的なIT管理ソフトウェアで提供される機能を利用するユーザーも出てくることで、製品の選択は多様化するであろう」と分析している。
・レポート概要はこちら 国内ストレージソフトウェア市場測予測アップデート、2015年~2019年
<参考資料>
国内ストレージソフトウェア市場 売上実績および予測:2014年~2019年
2014年は実績値、2015年以降は予測
【関連リンク】
・IDC Japan
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