現在、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を進めていくなかで、前世代のICT戦略やシステム上の制約、新たな協業先の発掘の難しさを課題に挙げている(※1)。
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、ICTを活用して顧客のDXを共に実現する「DX Enabler」として、デジタルデータを活用するために最適なプラットフォームの実現に向けて取り組んでいる。
今回、NTT Comは、デジタルデータの利活用をインフラ面から支えるデータセンターサービス「Nexcenter」において、顧客がNTT Comやインテルコーポレーション、日本電気株式会社などのさまざまなITパートナー事業者(以下、パートナー※2)の最新サービス・次世代技術を活用し、DXを推進するための新たな事業やサービスを開発・検証するPoC(※3)環境の提供と、参加企業によるオープンイノベーションを創出する「Nexcenter Lab」を開始した。
セキュリティが高く、高速大容量のネットワークに接続するデータセンターの一部リソースを提供して、パートナーがさまざまなITリソースを持ち寄り、オープンイノベーションを創出する同様のプログラムをドイツ、マレーシアで実施しており、今回、日本へ拡大し、顧客のDX実現をさらにサポートしていく。
Nexcenter Labでは、東京エリアのデータセンター2拠点で、PoC環境に加え、ミーティングなどが行える専用スペースを24時間365日提供する。また、セミナーやワークショップなどを開催できるプレゼンテーションスペースも併設する。
Nexcenter Labの目的の1つは、顧客が開発した最新技術・サービスをタイムリーにマーケットへ提供することだ。これに向けて、NTT Comやパートナーが提供するハイブリッドクラウド、AI、IoT などの最新サービスに加え、GPUなどの高発熱サーバーを利用できるICT環境を整備し、顧客の開発中の機器とディープラーニングやブロックチェーンなどの最新技術を組み合わせた検証を可能にする。
また同プログラムを通じて、ドイツ、マレーシアと連携したPoCが可能となり、各エリアの参加企業との共同開発などを実現する。
NTT Comは、データセンター内のサーバーラックや企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」の無償利用やパブリッククラウド接続など、さまざまなサービスを提供する(※4)。
さらに、パートナーや顧客の共創を促進させる取り組みを実施し、同プログラムを起点としたエコシステムを形成することでオープンイノベーションの実現をサポートしていく。例えば、同プログラムにおける各企業の活動を検索できるポータルの提供や有識者によるセミナー、パートナーサミットの開催によって、参加企業間の共創の機会を創出し、PoCの共同実施などの事例共有を通じて、各社の取り組みを支援する。
今後、同プログラムを、日本では大阪エリアに、グローバルではタイに拡大していくとした。
※1 一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会 「企業IT動向調査2018」参照。
※2 2019年3月12日現在のパートナーは23社
※3 PoCは、Proof of Conceptの略で、「概念実証」という意味。 事業化、サービス化に向けた新しい概念や理論、原理、アイデアの実証を目的に行う試作開発の検証やデモンストレーションを指す。
※4 サーバーラックの無料利用には、別途電気料金が必要。また、企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」の無料トライアル利用には、利用条件の審査がある。
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