株式会社NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センター(以下、RESTEC)は、これまで「AW3D全世界デジタル3D地図(以下、AW3D)」を共同で提供してきた。AW3Dは、2014年に全世界の5m解像度デジタル3D地図を提供開始し、2015年には都市部などで最高50cmまで解像度を向上させ、これまでに世界115カ国以上で利用されている。
日本国内では、無線ネットワーク・防災計画等のシミュレーション、航空機・ドローンの運行管理、都市・交通計画などにおいて、広域なデジタル3D地図の即時利用への要望が増加しており、こうした状況から、両社は日本全土をカバーするデジタル3D地図「AW3D日本全国高精細3D地図」を2019年5月23日から販売開始すると発表した。
同サービスでは、以下の3種類の地図データを提供する。衛星画像の撮影状況により、解像度等は一部エリアで異なる場合がある。
- 50cm解像度地形データ(数値地表モデル(Digital Surface Model))
地表面の起伏(標高)を50cmの格子間隔(50cm×50cmの正方形)ごとに高さの値としてデジタル化したもの。(トップ画像参照) - 30~40cm解像度衛星画像(オルソ画像)
衛星画像の地形の標高に起因するゆがみをなくし、正しい大きさと位置に変換した画像。30~40cmの格子の集合で画像が構成されている。
- 建物3Dデータ
建物1棟1棟の形状と高さがデジタル化されたデータ。
「AW3D日本全国高精細3D地図」は、位置精度が地図縮尺1/2,500相当と正確なため、上記3種のデータは位置のズレがなく重なり、座標・高さの計測が可能だ。また、50cm解像度の三次元情報により、日本全国の細かな地形起伏を把握することができ、物量・勾配計算(傾きの度合い)、各種シミュレーションができる。定期的にデータの更新を行うため、最新の情報を必要とする業務に活用できる。
今後NTTデータとRESTECは、3D地図の提供に留まらず、地図変化等のさらに付加価値をつけた情報の提供や、特定業務に向けた地図のカスタマイズを行う。また、地理空間情報を利用しているシステムとの連携により、一層の地理空間情報の利用拡大、市場創出に取り組むとした。
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