日本電信電話株式会社(以下:NTT)は、NTTが研究・開発したクラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞™」を用いて、ロボット等ハードウェアメーカー、アプリケーション開発者、サービス事業者とともに、デバイス連携サービスに関するオープンイノベーション活動を推進すると発表した。
昨年7月の共同実験開始以降、「R-env:連舞™」を使ったデモンストレーションおよび、デバイスとロボットが連携したサービスの受容性・有効性検証を実施してきたが、2月18日~19日に開催されるNTT R&Dフォーラム2016を皮切りに、以下の活動を通じて「R-env:連舞™」を実際に利用できる場を提供することで、新たなデバイス連携サービスの実現を目指していく。
NTT R&Dフォーラム2016(2016年2月18日・19日)
同イベントでは、最新の「R-env:連舞™」を利用したサービスプロトタイプのデモンストレーションとともに、その場で最新のロボットをはじめとする各種デバイスを連携させたアプリケーションの開発実演を開催(図1)。
具体的には、ヴイストン社製コミュニケーションロボットSota™やその他のロボット、各種健康測定機器を連携させることにより、人手を介さず一連の健康チェックが可能なデバイス連携サービスプロトタイプのデモンストレーションを紹介。またその場で実際に「R-env:連舞™」の開発環境を使って各種デバイスを繋ぎ合わせ、簡単なデバイス連携アプリケーションを作成しながら「R-env:連舞™」の各種機能について紹介することで、「R-env:連舞™」の利用方法について理解を深める。

「R-env:連舞™ハッカソン(仮称)」(2016年3月19日・20日)
最新の「R-env:連舞™」をはじめ、これまでのデモンストレーションや共同実験の取り組みを通じて「R-env:連舞™」に接続・連携させた各種デバイスを用いたハッカソンイベントを都内で開催(場所等詳細は別途告知予定)。
具体的には、これまでの取り組みで用いた、ヴイストン社製コミュニケーションロボットSota™を中心にデバイス連携サービスのプロトタイプに加え、富士ソフト社製PALRO®等の各種ロボットや健康測定機器、センサ類等のデバイスと、NTTドコモが開発した「デバイスコネクトWebAPI」によるスマートフォンアプリ経由でのデバイス連携含めた開発環境を提供し、アプリケーション開発者とともに、ロボットをはじめとする様々なデバイスを連携させることで実現される未来の生活の具現化を目指す。
オープンイノベーション活動の新たな場の開設(2016年度第一四半期予定)
2016年度は、これまで取り組んできたハードウェアメーカーやアプリケーション開発者を対象とした、「R-env:連舞™」を中心としたデバイス連携サービスの「仲間作り」を目指した活動に加え、デバイス連携サービスに関心のある金融・交通・介護等様々なサービス事業者やクラウドロボティクス基盤を有するNTTデータ等のパートナーとともに、デバイス連携サービスの「コト作り」を推進する新たな場(仮称:“R-env:連舞™ ” Innovation Hub)を開設する(図2)。
“R-env:連舞™ ” Innovation Hub(仮称)では、<1>ロボットをはじめとする最新デバイスのハンズオンイベントや、<2>アプリケーション開発者からプログラミング経験のないサービス事業者の方までを対象としたハッカソンイベントを定期開催するとともに、<3>サービス事業者と連携したフィールドトライアルおよび<4>ビジネストライアルを実施し、これら4つの取り組みを循環させることでデバイス連携サービスの商用化を促進する。
同取り組みを通じて、機械が人の状況を「理解し」、人に「働きかけ」、人の新たな行動や気づきを「促す」世界の実現を加速していく。

クラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞™」について
NTTサービスエボリューション研究所では、音声による対話をはじめとして、センサーやロボットに代表される各種デバイスを連携させることにより、人の状態を的確に把握し、その状況に合わせた働きかけや、ユーザーに行動や気付きを促す「人の可能性を広げる」インタラクション技術に関する研究を推進してきたが、同研究の一環として、人を取り巻く各種デバイスを容易に連携できるクラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞™」を開発した(図3)。

同技術は、ロボットやセンサー、ガジェット、アプリ等を組み合わせたデバイス連携サービスを、ブラウザ1つで簡単に開発・デバッグ・実行可能なクラウド環境だ。ブラウザ上のGUI画面から「R-env:連舞™」に接続された各デバイスのアクションと、次のアクションへ遷移するための条件の組み合わせによる状態遷移図を作成することで、誰でも簡単にデバイス連携サービスを開発することが可能(図4)。

またGUI上で開発したサービスは、実行状態に設定しておくことでブラウザを閉じた後も継続動作するとともに、状態遷移図を複数並列で動作させたり再利用することで、複雑なデバイス連携サービスも容易に作成することが可能。さらに新たなデバイスを追加する際も、WebSocketにより規定のJSONフォーマットを最初に送信するだけで、簡単に「R-env:連舞™」に認識・登録され、サービスへの組み込みを可能にする(図5)。

【関連リンク】
・NTT
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・富士ソフト(FUJI SOFT)
・NTTドコモ(NTT docomo)
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