金融機関では、外国送金受付時間が大きな事務負荷となっている。この問題を解決するため、日本ユニシス株式会社は、外国送金受付時間を短縮可能とする、営業店タブレット受付システム「SurFIN(サーフィン)」を月額利用型のSaaSサービスとして販売開始する。
また、「SurFIN」の販売開始と共に、金融機関の外国送金事務のデジタル化を支援することを目的に、グローバル送金サービスのウエスタンユニオン・グループのウエスタンユニオン・ビジネスソリューションズ・ジャパン株式会社(以下、WUBS)と業務提携した。「SurFIN」とWUBSの送金プラットフォームをAPI連携することで、外国送金の窓口受付から対外決済までをデジタル化し、STP処理(※1)を実現する。
具体的には、従来、金融機関営業店の外国送金受付で必要となっていた手書きでの依頼書に代わり、顧客自身がタブレット端末上で入力した内容をWUBSが提供する外国送金プラットフォーム「WU MassPay」とAPI連携することで、そのまま対外決済まで処理完結できるサービスを提供する。
金融機関にとっては、顧客への記入内容の説明やAML対応に必要な書類確認など、複雑化する外為事務に対応できる有スキル者の確保が大きな課題となっている。「SurFIN」の活用で、「経験の量に左右されない、容易で正確な外国送金事務」を実現でき、「SurFIN」は、勘定系システムや営業店端末との連携が不要なため、どの金融機関でも簡易に導入できる。
「SurFIN」とWUBSの送金プラットフォームの提供により、従来窓口で1時間程度かかっていた外国送金受付時間を半分以下に短縮し、金融機関にとってアンチ・マネー・ローンダリング(以下、AML)対応で必要になる、送金依頼内容や各種証跡書類の受付確認にかかる事務負荷を軽減する。
主な機能は以下の通り。
- 送金依頼者向け機能
- タブレット入力用Web画面
項目内容を分かりやすく表示し、誰でも簡単にソフトウエアキーボードで入力できる画面を提供。書き間違いや読み取りにくい文字があった場合の修正や書き直しがなくなる。 - マルチ言語対応
項目内容やヘルプ文言を、日本語以外に英語や中国語等に切替えが可能。外国人顧客に対する説明サポート負荷が軽減できる。 - 各種証明書類のカメラ撮影保存
金融機関に提出が必要な身分証明書や送金目的の書類などは、タブレットのカメラで撮影し、依頼内容と合わせて「SurFIN」内に保存し確認することができる。
- タブレット入力用Web画面
- 金融機関向けワークフロー管理機能
- ステータス管理機能
送金依頼1件ごとに処理状況のステータス管理ができる。営業店での受付から本部での精査、また対外決済まで、ワークフロー形式で処理状況を画面から確認できる。 - WUBS送金連携機能
顧客が入力した内容をもとにWUBSが提供する「WU MassPay」とAPI連携して海外送金決済処理を委託できる(100万円以上の決済処理にも対応可能)。なお、対外決済をWUBSへ委託するか、従来通りSWIFT(※2)発信するかは送金ごとに選択ができる。WUBSに委託する場合はWUBS内の処理状況(受付、処理中、処理完了)もAPIで情報取得できるため、「SurFIN」管理画面上で処理状況の確認ができる。また、WUBSでは厳格なAMLチェックや、各国ごとの規制に応じた内容確認を実施する。 - 送金内容の電子保存機能
送金依頼内容と添付する各種証明書類は、「SurFIN」内でそのまま電子保存する。また、疑わしい取引の報告などの目的のため、必要に応じてデータを事後に検索やダウンロードすることもできる。
- ステータス管理機能
日本ユニシスは、WUBSとの協業により、WUBSの持つ外国送金に関する知見とノウハウを活用して、「SurFIN」を各国の送金規則やAML規制などへの対応をサポートする外国送金プラットフォームに進化させるとした。
※1 業務プロセスの視点を重視し、発注、決済、受渡しまでの一連の過程を、人手を介さずに全てを電子的に行う処理。
※2 国際金融取引決済データ通信システム
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