Siemens Building Technologies事業部およびIBMは2月23日(現地時間)、シーメンスがもつビル運用の専門性とIBM®IoTを活用するクラウド・ベースのソリューションを発表した。
ビルとビルが「つながる」こと、またそこから生み出されるデータの利用価値を最大限に引き出すことにより、不動産の所有する企業は、業界を問わず、業績を伸ばしながら、エネルギー効率の目標到達を実現できるようになる。
シーメンスは、アナリティクスおよび資産管理など、IBMのWatson IoT事業部門が提供するソフトウェアを、Navigatorと呼ばれるクラウド・ベースのエネルギーおよび持続可能性の管理プラットフォームに統合する。この統合により、不動産を管理する企業には、次のようなさまざまな利点があるという。
- 不動産を所有する企業および不動産業者は、SiemensのNavigatorプラットフォームの内部データおよび外部データをベンチマークとして活用し、ビルの運用評価および実行予算の予測が可能になる。
- 予測アナリティクスを故障の発見および診断に適用し、問題の発生前に対応できる。
- 公共料金の請求を承認する際のテキスト認識およびアナリティクスにより、請求書の誤りを識別し、データの質を高める。
- モバイル・アプリケーションにより、エネルギーの監査および監査レポートの作成がどこからでもできるようになる。
Siemens Building Technologies事業部のCEOであるマティアス・レベリウス(Matthias Rebellius)氏は、次のように述べている。
「不動産を所有する企業が現在利用できるソフトウェア・ソリューションには、シーメンスのようなサービス・プロバイダーが提供する、設備を最適化するソリューションを活用したものはありません。当社のNavigatorプラットフォームがIBMのソフトウェアのインターフェースとして機能することにより、Siemensの実績ある、エネルギー最適化およびビルのパフォーマンスに関する専門性と、IBMの 不動産および資産の管理システムを融合させ、ビルの生産性を劇的に改善する、比類ない組み合わせを実現します」
Siemens Navigatorプラットフォームは、カスタマイズ可能なサービスをパッケージで提供し、ビル全体、キャンパス、あるいは不動産ポートフォリオ全体でビルディング・システムのパフォーマンス、エネルギー需要、エネルギー供給を効率的かつ効果的に管理することが可能。
新しいNavigatorプラットフォームにIBMのIoTテクノロジーを組み込むことで、利用者はユーザー・フレンドリーなインターフェースを使って、より高度なアナリティクス機能を利用できるほか、不動産ポートフォリオから得られる堅牢なデータ・セットを処理できるようになる。
また、Navigatorプラットフォームは、Siemens Desigo CCビルディング管理システムやサード・パーティー製のテクノロジーなど任意のシステムと統合できる。
今年から、Navigatorの新機能の提供も開始され、5月と10月にパッケージで提供の予定。
企業向け不動産業界は、一貫した結果や意思決定の効率化を実現する目的で、高度なデータ・アナリティクスの活用を始めたばかりだ。
ビル所有の総コストは、運用コストの71パーセントを占め、大企業の場合、不動産が損益計算書において2番目に大きな支出となることが少なくない。
ビルディングの所有者および事業者は、それぞれの不動産アセットのライフサイクルを通じてソリューションを駆使し、エネルギー効率の傾向や設備の可用性に関する問題を事前に予測でき、その結果、ビル運営での信頼性、費用対効果、持続可能性を可能な限り実現できるようになる。
【関連リンク】
・シーメンス(Siemens)
・アイビーエム(IBM)
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