日本総研による「モバイルWiFiルーターの市場予測」

仕事やプライベート、様々な場面において、タブレットやノートパソコンなど携帯端末の利用シーンは大きく増えており、屋外などでも通信環境が必要となっている。

また、労働人口の減少という社会課題に対して、女性や高齢者を含め様々な人々の就業を増やすため、在宅勤務やモバイルワークのようなテレワーク環境を整える必要があり、それには柔軟かつセキュアな通信環境が必須である。その他にも、携帯ゲーム市場の伸びなど、消費者が利用するトラフィックは増大し通信コストは増大している。

このような背景に加えて、格安SIMの登場により、価格面での競争も促進され、モバイルWiFiルーターの関心が高まっている。

参考資料: 総務省「通信利用動向調査」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html

それでは、モバイルWiFiルーターは今後も普及が加速していくのか。

このような疑問に対して、株式会社日本総合研究所の浅川秀之上席主任研究員は、モバイルWiFiルーターの市場について、独自に予測および調査を実施したという。

独自の予測モデルを用いたモバイルWiFiルーターの市場予測

モバイルwifiルータ

上記グラフは、浅川氏が重回帰分析をベースとした独自の予測モデルを用いて2024年までの市場動向を予測したものである。また、同予測に対してウェブアンケートを用いてニーズ調査を行ったところ、ほぼ同様の検証結果が得られたという。

ここでいうモバイルWiFiルーターには、個人利用の据置型および携帯型、ならびに法人利用が含まれる。

2019年頃までは、堅調に増加する傾向にあるが、それ以降は横這いとなる見込みである。これは、個人利用の携帯型および法人利用については普及が一巡して、これ以上の増加があまり見込まれない事が考えられる。

個人利用の据置型は今後も成長基調

個人利用の据置型について、アンケート結果を交えつつ、利便性と価格面が成長基調の要因であるとした。例えば、モバイルWIFiルーターであれば、工事が不要であり引越しなどの場面において、すぐにネットワークが利用できる。

また、家庭で動画を楽しむ程度の利用であれば、十分な回線速度であり、かつ固定回線を利用するよりも通信費用が安価なケースが多いという。

5GとモバイルWIFiルーターの今後

個人利用のユーザーでは価格に対する要求が厳しく、例えば5Gによって通信速度が向上しても、通信価格が高くなるようであれば利用されない可能性が高い。

ハードウェアにおいても、まだ5Gが繋がる端末は少なく、その理由としては5Gチップの価格がまだ高価であり、スマートフォンを始め5G端末の普及にはもう少し時間がかかる見込みで、それまでは「モバイルWiFIルーター優位なのではないか」と述べた。

また、家庭で利用する家電機器や住宅のIoT化は今後も進んでいく可能性が高いが、高価な5Gチップを製品に組込むと、製品の価格増につながり価格競争力が低下してしまう。各機器に安価なWiFiチップを乗せてモバイルWiFiルーターを中継し、クラウドなどインターネットとの接続は5G回線を利用する、といった利用も考えられる。

上述の利便性なども相まって、海外では5G回線のモバイルルーターに力を入れており個人利用の据置型WiFi市場は堅調に伸びているということだ。

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