富士通株式会社は、荷主企業や輸送事業者の輸送コスト削減に向け、最適な物流拠点や輸送経路を可視化して提示する「FUJITSU インテリジェントデータサービス 物流プローブ(注1)分析 輸送コスト適正化支援サービス(SoXYZ(ソクシーズ))(以下、輸送コスト適正化支援サービス)」を6月1日より販売開始した。
同サービスは、日本全国を通行する貨物トラックのうち、約7.5万台(注2)に装着されている同社グループ製のネットワーク型デジタルタコグラフから収集・蓄積される走行実績データを基に、荷主企業や輸送事業者が持つトラックの出発・到着地点や日時などの輸送情報を解析した上で、物流拠点や輸送経路の見直しによる輸送コストを試算。荷主企業や輸送事業者は、これまで数値化できていなかった現状のコストと試算された見直し後の輸送コストを比較でき、変動する輸送環境に適した物流拠点や輸送経路を選定することが可能になる。
同社は、今後も物流関連サービスとして、トラックやバス事業者向けの運行ルートの策定や物流不動産に関わる交通情報の提供など、株式会社富士通交通・道路データサービスのデータサービスを「oXYZ(オクシーズ)」シリーズとして提供し、物流業界の健全な成長に貢献していく。なお、「oXYZ」シリーズは、クラウド上に集まるデータを解析した上で、物流業界へ提供するサービス群であり、今回の「輸送コスト適正化支援サービス(SoXYZ)」は、同シリーズの第一弾となる。
背景
近年、ネットショッピングなどのEC市場の拡大により、当日配送の需要が増大し、より柔軟で効率的な物流が求められている。
そうした中、荷主企業においては、物流拠点の見直し(廃止・統合・新設)が活発化している。これまで、見直し後の輸送コストを把握する手段として、荷主・輸送事業者の経験則や一般乗用車の走行実績データに基づく試算が行われていたが、実態とは異なる試算結果が参考にされているケースがあった。また、輸送業務を輸送事業者に委託する際、ドライバー不足により輸送コストが高騰する中で、適正なコストで輸送が行われているか否かを判断できていないといった課題があった。
同社は、このような課題の解決に向け、全国の貨物トラックのうち、約7.5万台分の走行実績データを活用した、より実態に近い輸送経路の特定や適正な輸送コストを算出する「輸送コスト適正化支援サービス」を提供する。
サービスの特長
「輸送コスト適正化支援サービス」は、同社グループ製のネットワーク型デジタルタコグラフから1秒ごとに収集される約7.5万台の貨物トラックの走行実績データを活用し、荷主企業や輸送事業者が提示した出発・到着地点や日時などの輸送情報を解析することで、物流拠点や輸送経路を見直し、適正な輸送コストを提示する。
現状の輸送情報をエクセルなどで提示してもらい、データ解析は同社のクラウド上の物流プローブプラットフォームで走行実績データを基に行う。さらに、物流拠点の配置や輸送経路などを様々なパターンでシミュレーションした上で、見直し後の輸送情報や輸送コストの算出結果をエクセルなどで提供する。
例えば、拠点の統合をする場合、現状の2つの出発地(X,Y)から到着地(A~F)までの輸送経路と、見直し後に統合された出発地(Z)から到着地(A~F)までの輸送経路が可視化され、見直し前後の輸送コストを数値化して比較することで、輸送コストの削減に有効な地域の発掘に活用できる。(図を参照)
販売価格、および出荷・提供時期
物流プローブ分析 輸送コスト適正化支援サービスは、2016年6月より出荷・提供され、販売価格は個別見積となる。
注1 物流プローブ:GPSを搭載した大型商用車から得られる移動軌跡情報。緯度経度・車両 ID・時刻などの情報が含まれている。
注2 約7.5万台:2016年3月末時点
【関連リンク】
・富士通(FUJITSU)
・富士通交通・道路データサービス(Fujitsu Traffic & Road Data Service)
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