IoT向け専用通信サービスを提供するシグフォックス(SigFox)と、アジアのIoTネットワーク事業者のUnaBizは、フランスおよび台湾の当局者と共に、IoTのテストベッドを台湾に構築すると発表した。シグフォックスのIoTネットワークを中心とするこのテストベッドによって、台湾の大規模な電子機器製造業界にグローバルなIoT接続を提供し、多数のアプリケーションと使用事例を実演する。
8月1日に台北で行われた発表イベントには、台湾経済部の李世光部長、フランス在台協会ディレクターのBenoit Guidée大使、シグフォックスのルードビック・ル・モーン最高経営責任者(CEO)、UnaBizのアンリ・ボン最高経営責任者(CEO)のほか、アドバンテックの何春盛社長、台北市の李維斌最高情報責任者(CIO)、資訊工業策進会のスマートネットワークシステム研究所の馮明恵所長など、業界と政府の専門家グループが参加した。
Guidée氏によると、この全国規模のネットワークとテストベッドは、破壊的技術が力強く成長する“アジアのシリコンバレー”を目指す台湾を支えるだけでなく、台湾が世界に向けて規模拡大を進めるなか、シグフォックスは台湾の設計・製造に関する専門知識の恩恵を受けられる。台湾の大規模なハイテク製造分野は、価格競争力のある高品質製品の開発において、広範な経験を持っているという。
台湾でネットワーク配備を統括するのは、エンジーおよびシグフォックスと戦略的に提携し、シンガポールにネットワークを配備することを3週間前に発表したばかりのUnaBiz。台湾のネットワークは2018年初頭までに、通信エリアを全国に拡大できる見通しだという。
UnaBizのアンリ・ボン最高経営責任者(CEO)は、次のように述べている。「当社の地域開発戦略において台湾への拡張が鍵となるのは、台湾にはIoT使用事例の世界的な導入を加速させる機器およびソリューションの最大のエコシステムがあるためです。」
このネットワーク展開により、台湾はシグフォックスの双方向IoTカバー域に含まれる、世界で23番目、アジアで2番目、そしてアジア太平洋で4番目の国になる。シグフォックスのIoTネットワークは、モノのインターネットを構成する無数のデバイスに、低コストでエネルギー効率に優れた接続を提供する。
2017年半ばまでに、台湾の人口約半分の2350万人を擁する、同国で最も大きな6つの市・地区をカバーするとしている。あらゆる国々で迅速にネットワークを展開できるのは、シグフォックスのインフラが従来の無線ネットワークインフラと比べてはるかに軽量で済むためだという。
ル・モーン最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。「シグフォックスは、世界でも有数の競争力と効率を誇る台湾の電子機器企業と協業することで、IoTの設計と使用事例について学び、導入するスピードを速めることができるため、当社のエコシステムを強化できます。また、シグフォックスのシームレスなIoTネットワークが、工業生産でいかにして今までにない効率を育み、あらゆる場所の企業に恩恵をもたらすのか実証できます。」
ボン最高経営責任者(CEO)は、次のように語っています。「私たちは、シリコンベンダーから設計企業や機器メーカーまで、IoTのバリューチェーン全体で、地元のエコシステムの中心的企業と強固な提携関係を築くことができるよう、直ちに取り組みます。このダイナミックなプロセスは、IoTに命を吹き込む起業家精神と創造性を刺激するでしょう。UnaBizはそのプロセスの一環として、台湾のエコシステムを活用して、シグフォックスのパートナーが構成するグローバルエコシステムを補完し、IoT機器の最大のカタログを世界に提供できるように努めます。」
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・UnaBiz
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