クラウディアン株式会社は、株式会社電通、スマートインサイト株式会社、Quanta Cloud Technology Japan株式会社とともに、JESCO CNS株式会社の協力を得て進めている共同プロジェクトにおいて、ビデオカメラの撮影映像から高速道路を走行する車種をAI(人工知能)で自動判別し、六本木のビル屋上に設置されたビルボードに車種別の広告配信をする実験を、2016年9月10日と17日の両日実施し成功したと発表した。
これまで、デジタルサイネージの屋外広告ではターゲティング広告が難しいと言われ、事前に決められたスケジュールに従って広告を流していたという。しかし、今後はディープラーニングを用い自動車のメーカー名、車種の分類、モデル名などを高精度かつリアルタイムに認識・判別することにより、通行状況に最適化された内容で、タイミングよく広告を表示させることが可能になるという。
走行車種を自動認識するためのシステムは、ディープラーニング(深層学習)を使い300車種以上、数千枚の自動車画像を使い学習したという。この学習用データおよびビデオカメラで撮影した走行車種の大量映像の保存には、日本で生まれたクラウディアンが開発提供するオブジェクトストレージ製品「CLOUDIAN HyperStore」が使われている。これは、「CLOUDIAN HyperStore」には、従来型ストレージ製品とは異なる、下記の3つの大きな特長があるためだという。
- インターネット経由でビッグデータを直接読み書き
データセンター内で、かつ近距離で利用することを前提とする従来型ストレージ装置とは異なり、「CLOUDIAN HyperStore」は、インターネット経由でデータを安全に読み書きできる。 - ビッグデータを処理、保存
「CLOUDIAN HyperStore」は、容量制限のあるストレージ装置では難しかったビッグデータの経済的な保存、柔軟な活用、効率的な管理を可能にする。 - ビッグデータを使う開発を効率化
「CLOUDIAN HyperStore」を使うことで、開発者は従来型ストレージのような物理的な装置手配や設定などを意識する必要がなく、クラウドサービスのように仮想的なストレージの設定、操作で開発準備ができるため、ビッグデータを使うディープラーニングの学習を効率化できる。
今回の成果は、大規模な屋外ビルボード広告のみならず、商業ビル、ショッピングモール、アウトレットの駐車場に設置されるディスプレイへの広告配信も計画されているという。また、時間帯別・車種別交通量や走行速度も自動的に計測し、数値化することが可能になるため、従来の人手による計測データと異なり、常時正確な交通量の把握ができるようになり、道路監視やターミナルの混雑状況把握など、汎用的な交通量調査などへの応用が期待できるという。
【関連リンク】
・クラウディアン(Cloudian)
・電通(DENTSU)
・スマートインサイト(SMART INSIGHT)
・QCT(Quanta Cloud Technology)
・JESCO CNS
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