株式会社日立製作所(以下、日立)は、小売・流通業や消費財メーカーなどに向け、日立の人工知能「Hitachi AI Technology/H」を活用し、顧客の購買単価や商品の購買率などを高めるマーケティング施策立案を可能とする「顧客ロイヤルティ(*1)向上サービス」を10月27日から販売開始する。
同サービスは、顧客属性や商品属性を、顧客の趣味嗜好や購買単価などさまざまな軸で詳細に分析し、マーケティング施策のターゲットを明確化する2つのサービスと、人工知能を活用したさらなる分析により施策候補を具体的に提案するサービスの、計3つのサービスから構成される。これらをワンストップで提供することで、企業における顧客ロイヤルティを向上する施策立案を支援し、顧客の購買単価や商品の購買率を高め、売上・利益拡大に貢献する。
近年、ライフスタイルや価値観の多様化により、購入チャネルの多様化や商品ライフサイクルの短期化が進んでいる。小売・流通業や消費財メーカーには、顧客属性に加え、多岐にわたる販売チャネルの購買履歴などさまざまなデータの分析により、顧客の趣味嗜好や行動を捉え、顧客ロイヤルティの向上に効果的な施策を実行するデジタルマーケティングへのニーズが高まっている。しかし、分析対象のデータが多種多様となるため、人手での分析が困難であるほか、分析自体に時間を要し施策立案に注力できないなどの課題があった。
今回発表された「顧客ロイヤルティ向上サービス」は、これまで日立が蓄積してきたデータ分析ノウハウや分析モデルを活用し、人工知能によるマーケティング施策の立案支援を提供するもの。日立が一連のデータ分析をサービスとして提供するため、企業はマーケティング部門に負担をかけることなく、人工知能による膨大なデータの分析結果を活用し、効果的な施策を立案・実行することができるという。
日立は今後、同サービスと商品発注システムなど他システムとの連携をすすめ、小売・流通業や消費財メーカーの企業活動全般を支援していくほか、複数企業間でのマーケティング活動や商品供給の最適化にも貢献していくという。また、IoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」をベースとしたサービスの一つとして、継続的に強化していくという。
「顧客ロイヤルティ向上サービス」の特長は以下のとおり。
- 施策ターゲットの深掘り、明確化により、特に改善すべきKPIを見極め、設定可能
購買履歴や商品属性などのデータを用いて、顧客の購買単価や頻度、商品の購買率などが分析可能なシステム環境を提供する「優良顧客分析サービス」により、現状のマーケティング課題を把握できる。さらに、趣味嗜好に着目して顧客層を捉えることができる「顧客インサイト分析サービス」での分析を加えることで、顧客の趣味嗜好を踏まえて、顧客ロイヤルティ向上施策のターゲットとすべき顧客層や好まれている商品などの深掘り、明確化が可能。その上で、顧客の購買単価や商品購買率などさまざまなKPI(*2)候補の中から特に改善すべきものを見極めることができ、施策の方向性を適切に定めていくことができる。 - 人工知能を活用し、顧客ロイヤルティ向上に効果的な施策を提案
人工知能「Hitachi AI Technology/H」により、購買履歴や過去の販売施策、購買チャネルやアクセスログなどからなる膨大なデータを分析し、設定したKPIが最大となる顧客の購買行動パターンを抽出。そして、抽出されたパターンをもとに、日立がマーケティング施策の候補案をレポートとしてまとめ、提案。マーケティング担当者はレポートを参考に効果的な施策を立案し、実行することができる。 - 一連のデータ分析業務を代行し、迅速かつ容易なデータ活用が可能
日立が一連のデータ分析業務をサービスとして代行するため、迅速かつ容易なマーケティングへのデータ活用が可能。これにより、マーケティング担当者は新施策の立案や企画創出に注力することができる。日立は、データ分析における入力データの選定や加工に関して蓄積してきたノウハウをモデル化している。同サービスではそれらを活用し、効果的なマーケティング施策立案の支援を、サービスとして迅速に提供するという。
価格および提供開始時期は以下のとおり。
名称 | 概要 | 価格 (税別) |
提供開始 時期 |
|
---|---|---|---|---|
顧客ロイヤルティ向上サービス |
|
個別 見積 |
2017年 1月4日 |
|
優良顧客分析サービス |
|
2017年 1月4日 |
||
顧客インサイト分析サービス |
|
提供済 | ||
Hitachi AI Technology/ 業務改革サービス |
|
*1)顧客ロイヤルティ:企業が顧客の期待を超える価値を提供することで得られる、顧客からの企業・商品ブランドやサービス内容への信頼や愛着心。
*2)KPI: Key Performance Indicator。組織の重要な経営指標。
*3)Pentahoソフトウェア:多種多様なデータを統合し、さまざまな観点で分析するためのデータ統合・分析基盤。データを収集・加工・出力する「データ統合基盤」、統合したデータを分析・可視化する「データ分析基盤」の2つの基盤により、データ収集から分析・活用までの一貫した環境を提供する。
*4)Hitachi Advanced Data Binderプラットフォーム:内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 東大教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用。
【関連リンク】
・日立(HITACHI)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。