アナログ・デバイセズとDell EMC、危険な状況下で活動する救助隊員の身体状況と安全をリアルタイムに監視するIoTソリューションを開発

アナログ・デバイセズとDell EMCは本日10月26日、救助隊員の身体状況と場所を追跡するIoTソリューションの実証実験(Proof of Concept / POC)を行ったことを発表した。このソリューションの目的は、特に厳しい環境下で緊急事態に対応する救助隊員の、安全と実効性を高めることにある。全米防火協会によると、消防士の負傷件数は北米だけで年間6万件を超え、そのうち25%は無理のし過ぎや過労が原因だという。

実証段階に入ったこのIoTソリューションは、建物の内外で各救助隊員の現在位置や生体信号を常時追跡する。隊員が着用するスマート・センサー搭載のベストは、各自の呼吸数、肺気量、心拍数など有意な身体指標をモニタし、ネットワーク接続されたブーツで場所と動きを追跡。こうした指標を基に、外部からはわからない隊員の身体状況の異変を瞬時に察知したり、単独で行動する各隊員の動きを追尾することで、隊員はより健康、安全に、効果的な救助活動を行うことができる。

ベストとブーツから得られた全ての関連データを、モバイル・ネットワーク経由で安全なプライベート・クラウドに転送する。これにより、指揮チームが現場、中央指令室などいずれの場所にいる場合でも、ポータル画面にダッシュボード形式で表示される各隊員のデータにアクセスできるようになる。隊員の身体状況のモニタリングによって得られたデータは、各自の安全を迅速に確保できるよう分析される。複数回の出動に亘る生体信号履歴の分析を行うことで、隊員の健康を継続的に守ることができるという。

このソリューションは、米インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)認証のテストベッド「INFINITE」を使用。INFINITEテストベッドは、産業IoTのイノベーション、知見、ビジネス・チャンスを、広範な業種で横断的に活用できるよう、Dell TechnologiesがVodafoneおよびコーク工科大学と協力して開発されたものだ。

同ソリューションのプラットフォームは、さまざまな任務の特性に合わせ、今後さらに幅広いセンサー技術を統合できるよう設計されている。例えば、高精度慣性計測装置を統合すれば、GPSが使えない環境下でも自律航法が可能になる。ADIS16448 IMUをはじめとするアナログ・デバイセズの製品には、既存の救助隊員向けプラットフォームを補強する、キャリブレーション済みのセンサー一式(ジャイロスコープ、加速度センサー、地磁気メーター、圧力センサー)がすべて集積されているため、複雑かつ過酷な環境下でも既設インフラを必要としないナビゲーションが可能だという。

このソリューションは、Hexoskinの画期的なeテキスタイル・プラットフォームを搭載している。アナログ・デバイセズは今年初めに、Hexoskinおよびマイクロソフトと共同して、アスリートとチームのパフォーマンスを管理できるユニークなウェアラブルIoTソリューションを開発することを発表した。このIoTソリューションは、選手が着用するセンサー搭載のベストにより、各選手の動き、心拍数その他身体状況やパフォーマンスを左右しうる各種測定値などの情報を収集し、コーチやチーム・スタッフがモニタできるようにするものだ。

【関連リンク】
アナログ・デバイセズ(Analog Devices)
Dell EMC
デル(Dell)
コーク工科大学(CIT)
Hexoskin
マイクロソフト(Microsoft)

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