IDC、2015年のIT戦略にクラウドが影響を与えると考える企業割合は44.8%

企業:

【概要】
・2015年のIT戦略にクラウドが影響を与えると考える企業割合は44.8%
・一方、クラウドを利用中の78.7%の企業が、IT戦略に影響を与えると回答
・クラウドは広く普及をはじめたが、多くの企業において、その導入目的は「ITや業務の効率化」であり、「効率化と事業拡大」を求める「先駆的な企業」との間には溝がある

 

IT専門調査会社IDC Japan株式会社は、2015年4月に実施したユーザー動向調査「2015年 国内クラウド調査」の結果を発表した。

 

国内市場では、クラウドは広く普及をはじめた。

また、クラウドは登場して以来、ITを大きく変革すると言われてきた。

しかし、クラウドがIT戦略に影響を与えると考える企業は、決して多いものではない。

現在(2015年)のIT戦略に、クラウドが影響を与えると考える企業は 44.8%にとどまっている。

また、2年後(2017年)のIT戦略においても、クラウドが影響を与えると考える企業割合は50.1%だ。

 

一方、パブリッククラウドサービスやプライベートクラウドなど、何らかのクラウドをすでに導入/利用中の企業では、クラウドが現在のIT戦略に影響を与えると考える企業割合は78.7%(「強く影響」35.6%、「少し影響」43.1%)となる。

また、2年後のIT戦略では、クラウドが「強く影響」を与えると考える企業割合は48.5%だ。

これらのことは、実際にクラウドを利用したことによって、クラウドの価値を認識する企業が多いことを示している。

また、IT戦略に対するクラウドの影響度が、年々高まっていくことを表している。

 

クラウドは高い技術力を有する企業や、変革を求める先駆的な企業向けだけではなく、多くの一般的な企業が利用するソリューションへと発展しており、急速にユーザー層を拡大している。

一方、クラウド導入の目的が先駆的な企業では「ITや業務の効率化」と「事業強化」を同時に検証していることに対して、一般的な企業は「効率化」のみ、あるいはソーシャルメディア/モバイル対応といった個別案件としての「事業強化」だけとなっている。

すなわち、クラウドのユーザー層は拡大しているが、企業のクラウドあるいはIT戦略において、「先駆的な企業」と「一般的な企業」の間には溝が見られる。

この溝は、時間の経過と共に埋まっていくものの、一般的な企業に対して、効率化だけではないクラウドの価値をベンダーは訴求し続ける必要がある。

 

効率化だけではないクラウドの価値の訴求では、社会/企業活動のデジタル化に対応した「IT(クラウド)を使った事業強化」が重要となる。

また、現在、クラウド市場では「パブリッククラウド」「プライベートクラウド」といった配備/サービスモデルに焦点を絞り、コスト/セキュリティといった要件から「適材適所」でクラウドを選択し、連携させるハイブリッドクラウドが高い注目を集めている。

もちろん、配備モデルの検証は重要だが、それだけでなく、「業務の効率化」と「事業拡大」の統合/連携を考慮したハイブリッドクラウドこそが、価値を創造する新たな基盤となる。「ベンダーにとって、真のハイブリッドクラウドを実現するソリューションの整備が喫緊の課題である」とIDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの松本 聡氏は分析している。

 

今回の発表はIDCが発行したレポート「2015年 国内クラウドサービス市場 需要動向調査」(J15340104)にその詳細が報告されている。

同レポートは、2015年4月に実施したユーザー調査「2015年 国内クラウド調査」の結果が分析され、まとめられている。

また、過去に実施した「国内クラウド調査」の結果から、ユーザー動向の経年変化も分析されている。

 

※詳細については IDC Japan(jp-sales@idcjapan.co.jp)へ。

 

・レポート概要はこちら
2015年 国内クラウドサービス市場 需要動向調査

 

<参考資料>
IT戦略に与えるクラウドの影響、現在と2年後
IDC、2015年のIT戦略にクラウドが影響を与えると考える企業割合は44.8%
n = 3,717(全体)、n = 522(クラウドを利用中の企業)

・定義を提示せずにクラウドを「よく理解している」「概ね理解している」「何となく分かる」とした回答者を対象とした
・「クラウドを利用中の企業」は、何らかのクラウドを利用中との回答者を対象とした
・「分からない」は、「明確なIT戦略がないので分からない」と「分からない」の回答を合計した

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