これまでいろんな概念が登場しては消えた。ユビキタスとか、M2Mとか。
大企業のそういう部門がどんどんIoTと名がつく部署に代わっていく。
こういうのを流行とか、焼き直しなんていう人がいるけど、そうは思わない。
IoTは、とっても「賢い」のだ。
情報をくまなく集めて、とりあえず集めまくると、”見えることがある”ということがわかってきた。
そして、見えたことを、より賢く、よりスマートに人に打ち返すことができるようにもなってきた。
今は、なんとなく空を飛ぶモノがあったり、侵入者を検知するようなモノがあったりと、
モノとモノが独立して動いているけど、これらがつながって賢く動くようになると、
ぜんぜん風景が違って見える。
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例えば、朝、目がさめるところからだ。
睡眠状態を見切ってちょうどいいところで起こしてくれる。
近未来では、何時に起きなければならないかも、スケジューラーと連動して起こしてくれる。
起こしてくれるのも、もはや目覚ましではなく、ベッドが体を揺さぶってくれて起きるのだ。
それも、一番自分が気分よく起きる起こし方でだ。
気候や交通情報も、欲しいときに表示される。
朝定番の番組で、チェックなんてのはもはやなく、時計をみようが、鏡で髪を直している途中だろうが、
必要な情報はエージェントが追いかけて表示してくれる。
出勤前のコーディネートも、鏡の前に立つだけで1日のスケジュールを考えて提案してくれるから
オシャレが苦手な人でもTPOを考えたオシャレができるようになる。
働く場所も、必ずしもオフィスとは限らない。
どこにいたって、必要な端末は施設自体にあって、生体認証でセキュリティを担保されたクラウド上から
いつでも取り出したり、編集したり、しまったりできるようになる。
仕事は、作業をするというより、主にビジネスパートナーとの会話で、意思決定をしていくということになるだろう。
だから、お気に入りのカフェで仕事をするもよし、気持ちいいからと公園で仕事をするのもよいかもしれない。
対面でのアポイントは必要最低限になり、大半の会議はオンライン上で済ませられるようになる。
時差だけはどうにもならないから、話し合いたい相手が別の国にいるときは慎重に時間を合わせるようになる。
夕食をだれかと一緒になんてときは、自動運転カーに乗り込み、認証をすることで、目的地までスムーズに連れて行ってくれるから、
車中で一杯なんてことも可能になるだろう。
まるでSFのような、そんな体験ができる世の中になっていく。
法律とか、技術とか、まだできそうにないことも一杯あるけど、こんな日がくるのが楽しみでならない。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。