2016年12月14日から3日間、東京ビッグサイトでIoTが関わる技術及びソリューション、システム、アプリケーションなどを集めた総合イベントであるWorld of IoTが開催された。第3回を迎えるWORLD OF IOTでは、東芝、日立製作所、シーメンスなどの様々なIoT業界の関連キープレーヤーはIoTの最新技術・情報を提供して出展した。今回の展示会の主なピックアップはこのレポートに紹介する。
シーメンス -Camstar Semiconductor Suite
シーメンスは多くのIoT関連事業を支援するため、ビジネスの展開の急激な変化に対応し、従来型のサイロ化した製造業システムをより効率的に置き換えることができるCamstar Semiconductor Suite(以下略称CSS)という製造実行システム(MES)を開発した。
CSSはフロントエンドとバックエンドのオペレーションを繋げ、工場の装置と総合して標準化することが1つの特長だ。
シーメンスは製造企業の製造プロセスの管理や工場の自動化を推し進め、より迅速に稼働率の向上と業務へのさらなる拡大を支えることを目指しているという。CSSを利用して、製造ロット、ウェハー/シリアルユニットの生産は多数のプラントにまたがって管理することが可能となり、製造システムのトレーサビリティをより一層強化するのだ。
また、従来型のMESにおける仕掛り品(WIP)のトラッキング及び製造プロセスに対する管理を可視化することが実現するため、様々なデータを収集・処理の機能ができようになったという。
そして、製造オペレーションを伴うワークフローの複雑な管理もCSSによって改善され、製造業者は製造フローの設定、要件の変更、顧客からの依頼及び変更などの業務をより容易に対応することが可能となった。その上、Camstarのプロセス・オートメーション・コントロールというソフトウェアを通じて、工場のインフラの複数の内蔵装置とMESを総合し、制御の自動化、作業のモニタリング、材料のトラッキング、またデータの収集を実現することになったということだ。
コニカミノルタ -セキュリティソリューション
今回の展示会に初出展のコニカミノルタは、3Dレーザーレーダーと可視/サーマルカメラが組み合わせたセキュリティシステムをデモした。
カメラやセンサーから獲得されたデータを総合解析・出力することにより、エリアの侵入検知、人数カウント及び動線・滞留分析ができる。これで、セキュリティのレベルアップが向上させ、さらに業務も効率的になった。
この状態監視システムは従来型と比べると、主に2つの特長がある。
1つは、過去の隙間があるセンシングは無しにし、失報レスに3D情報が取得可能となった。さらに検知結果を映像に重ね、遠隔サポートで確認することができる。
2つ目は、リアルタイムで人・物の行動を解析し、夜間や逆光などの条件を問わず利用することが可能になったのだという。(ブース担当者)
パナソニック -スマートファクトリーのMOMソリューション
パナソニックは、製造オペレーションマネジメントシステム(Manufacturing Operation Management、MOM)を展示し、工場全体の取り組みを最適化することを目指しているとした。
MOMを活用し、各種機械設備から収集されたデータに基づいて、製造現場の在庫・実績管理を改善することができる。
したがって、生産性、品質などのKPI評価や課題を見える化を実現し、世界中の工場の拠点を同一標準で管理することにより、現場の情報をリアルタイムで把握することが可能となったというのだ。
そして、最適なスケジューリングを作ることができるため、製造のリードタイムを短縮して在庫を削減し、販売機会損失ロスを防ぐことができようになったということだ。
NVIDIA(エヌビディア) -Drive PX 2
NVIDIAが開発したDrive PX 2は、自動運転車向けAI 車載コンピューティングプラットフォームであり、高速道路での自動運転、また地図を作成する機能があるオートクルーズにも対応可能だ。
また、Drive PX 2はディープラーニングやセンサフュージョン、サラウンドビジョンを組み合わせ、新たな運転経験を提供することを目指しているということだ。
それとともに、全自動運転の実現を加速するために、参照アプリケーション、ツール、ライブラリモジュールを含むソフトウェア開発キットであるDRIVEWORKSも開発した。DRIVEWORKSはオープンアーキテクチャであり、地図作成と位置特定、ビジュアライゼーションなどの機能が覆われている。
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