総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社の親会社である米国マンパワーグループ株式会社グルーは、労働白書「スキル革命」を発表した。同調査では、日本を含む43ヵ国の6業種18,000人を超える雇用主を対象に、テクノロジーが今後2年間で自社に与える影響や、自社ワークフォースの適正なスキル獲得を実現し適応力を確保する方法について質問した。
- オートメーション(自動化)が今後2年間の社員数にどのような影響を与えるか?
64%の雇用主が「変わらない」、19%が「増える」と回答。「減る」と回答した雇用主は12%、5%が「分からない」と回答。 - どのような仕事、どのようなスキルが求められるようになると想定しますか?
大幅な増員が見込まれるのはIT(26%)。次いで人事(20%)、営業・接客(15%)
わずかな増員が予定されているのは、財務・会計(1%)、生産・管理(4%)、総務・事務(5%)IT・接客分野の企業は、最も大幅な社員数増加を想定している。ビッグデータの解釈に必要なデータアナリストや、デジタル化されたサービスを商業化する専門営業担当者も、ほぼ全ての地域と業種で需要の急増が予想されている。この要員調整の時期を乗り切るため、人事分野も短期的に雇用数は増えると予測。
- スキルの寿命がかつてないほど短期化し、未曾有の規模で変化が起きている今、必要なのは「いつの時代も通用する能力」
~スキルの近接性、機敏性、学習意欲(ラーナビリティ)
デジタル化と高技能職の増加は、企業や社員が準備を整えておきさえすれば、チャンスになる。認識力や手作業を必要とする定例業務はテクノロジーにより代替され、人間は非定例業務やもっとやりがいのある役割を担うことができるようになる。独創性、感情的知性、認識の柔軟性こそが、人間本来の能力を発揮できるスキルであり、ロボットが人間に取って代わるのではなく、人間がロボットの能力を拡張することを可能にするもの。
- 未来に向けた予防線:人間がロボットの能力を拡張する
未来の仕事には多様なスキルが必要とされており、今日の人材不足に対応し今後のニーズを見越して行動するために企業は、これまで以上に社員のスキル向上と新たなスキル習得を重視する必要がある。約4分の3の企業が、スキルを最新の状態に保つための社内研修に力を入れ、44%が要員を入れ替えるのではなく新たなスキルセットを持つ人材を追加採用し、3分の1以上が、請負業者や第三者を活用して社内ワークフォースに専門スキルを移転することで、変革を推進している。人的つながりの大切さを軽んじてはいけない。機械化時代の仕事の変革は、人間対ロボットの戦いである必要はない。
- 今、スキル革命が到来している。人材のスキル向上と急激に変化する働く世界への適応を支援することが、現代の決定的な課題となる。今こそ経営者に責任と対応力が求められている。
マンパワーグループ会長兼CEO/ヨナス・プライジング氏のコメントは以下の通り。
「技術の進歩やグローバル化のスピードを鈍らせることはできませんが、人材と組織の回復力を高めるため、社員のスキルに投資することはできます。一人ひとりのラーナビリティ(時代に適応し雇用可能性を維持するため、新たなスキルを学習する意欲や能力)を養うことも必要です。既存社員のスキル向上と新たなスキルの獲得を速やかに進め、未来に必要なスキルを備えた人材を確保するために、早急な対応が求められています。また、ワークフォースに参加できていない層の取り込みも必要です。これからは新たな仕事、新たなスキルに備える必要があります。これこそスキル革命の到来が意味することなのです。」
【関連リンク】
・マンパワーグループ(ManpowerGroup)
・労働白書「スキル革命」
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