米PTCが、IoT事業が大きく拡大した2016年を振り返った。下記はPTCの発表である。
米PTCは、2016年の1年間でIoTブッキングの成長、新規顧客・新規パートナーの増加、IoT製品ポートフォリオの拡充、業界における表彰や評価、IoTアカデミックプログラムの大幅な拡大を実現した。PTCは2013年のThingWorx買収によりIoT戦略を推進し始め、以降、IoT製品群を開発してきた。
2016年、PTCのIoT事業は前年比115%増となった。これにはKepware、Vuforiaや、既存製品事業の53%拡大も貢献しており、2016年のIoT事業による売上高は約1億ドルとなった。また2016年にPTCの顧客ベースは1,200社を超え、PTCの戦略やテクノロジーを推進する250社以上が参加するパートナーネットワークを構築している。
PTCの成長に貢献したのは以下を含む様々な規模や分野の顧客やパートナー企業によるThingWorx プラットフォームの選定だという。
- GE Digital
PTCとGE Digitalは、戦略的関係をさらに拡大し、GEのMinds + Machines 2016でのデモンストレーション展示したようなインダストリアル分野向け「ThingWorx for Predix」ソリューションという形でThingWorxとPredixの組み合わせの最適化を推進。 - Vodafone
Vodafone Groupは、グローバルに展開されている同社の事業会社対応のVodafone IoTアプリケーションをさらに開発すべくThingWorxプラットフォームを採用。 - Hewlett Packard Enterprise (HPE)
PTCとHPEはインダストリアル分野の新たなIoTソリューション開発に向けて協業。PTCのThingWorxとHPEのEdgeline Converged Edge SystemおよびHPE Aruba ClearPassネットワークアクセス・セキュリティポリシーソフトウェアを組み合わせてHPE Discover 2016でデモンストレーションを実施。 - VMware
VMwareがPTC ThingWorx Readyパートナープログラムに参加。ThingWorxプラットフォームと自社IoTソリューションを組み合わせて新たな製品の開発へ。
また、PTCはパートナーネットワーク拡大に向け、世界の主要システムインテグレータやプロフェッショナルサービス企業との協業に引き続き注力しており、PTCのThingWorxプラットフォームをより幅広い顧客企業に提供する上で貴重な販売チャネルとなり得る。
Cognizant、Deloitte、Kalypso、INFOSYS、ITC Infotech、Tech Mahindra等、約100社のシステムインテグレータがPTCパートナーネットワークに参加しているという。2016年にはシステムインテグレータ各社がスマートマニュファクチャリング、フリート管理、スマートエネルギー管理、コネクティッドケア等、新たなThingWorxベースのIoTソリューションを開発している。
PTCは中心となるIoTテクノロジーであるThingWorxプラットフォームのさらなる機能強化に向けて2016年に以下を含む様々な機能拡張を発表した。
- ARで強化されたIoT
ThingWorx Studio (Vuforia技術を組み込み)はエンタープライズ拡張現実(AR)作成ツールで、ARとIoTを統合する体験(エクスペリエンス)のデザイン、発行、展開を実現。2016年半ば以降、1,000社の企業がThingWorx Studioパイロットプログラムを利用して新たなARのパイロットプロジェクトを実施。 - 総合プラットフォーム
PTCは買収したKepwareインダストリアルコネクティビティソリューションとColdLight機械学習ソリューションをThingWorxプラットフォームに統合。 - Cloudサービスの選択肢拡大
PTCは主要デバイスクラウドに対応することでクラウドサポートを拡充。 - 製品の洞察
ThingWorx Utilitiesがコネクティッドアセットの供給、管理、リモートアクセス、操作や、様々なITシステム、業務システムを統合する業務プロセスのモデル化やプロセスフロー開始を支援するツールを提供。 - データの洞察
インタラクティブなユーザインタフェースとしてThingWorx Analytics Builderを組み込み、ThingWorxベースのソリューションで高度なアナリティクスモデルの作成・管理が可能に。 - IoT at the Edge
ThingWorxのエッジコンピューティング機能を強化 したことで、コネクティッドアセットの設置場所からより強力なデータ収集・管理機能が利用可能に。
PTCは、PTCアカデミックプログラムが主導し、全学年の児童、生徒、学生に対応するIoTを中心とするアカデミックプログラムを創設した。PTC IoTアカデミックプログラム創設以来、世界で1,000校を超える大学が登録している。米国の工学系大学上位15校の内の14校を含む多くの主要校が授業でThingWorxプラットフォームを採用しているという。2016年には新たに500校を超える大学がPTC IoTアカデミックプログラムに参加している。
また、2016年には開発者の関わりを大幅に強化し、グローバルオンライン学習マーケットプレイスであるUdemyにIoTコースを提供している。Fundamentals of IoT Development with ThingWorxの授業では、5か月で4,200名以上の学生が登録し、登録者による評価が5点満点で4.5を維持している。
ABI Research社マネージングディレクターでバイスプレジデントのダン・シェイ(Dan Shey)氏は「2016年、PTCはIoT分野で単に存在している以上の企業であることを証明しました。PTCはThingWorxベースの非常に優れたソリューション群、大きな成長の可能性、一流の顧客企業、パートナー企業によるネットワークの拡大により主要IoT企業の一社という地位を確立しました」と述べている。
【関連リンク】
・ピーティーシー(PTC)
・ThingWorx
・ケプウェア(Kepware)
・GEデジタル(GE Digital)
・ボーダフォン(Vodafone)
・ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)
・ヴイエムウェア(VMware)
・ABI Research
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