株式会社NTTデータは、2015年10月1日付けで、同社グループにおける人工知能(AI:Artificial Intelligence)の応用ビジネスを推進するための組織として、「AIソリューション推進室」を技術開発本部サービスイノベーションセンタ内に設置する。
「AIソリューション推進室」は、急速に拡大する人工知能の業務適用ニーズに応えるため、日本電信電話株式会社(以下:NTT)の研究所が保有する人工知能技術(音声認識、画像認識、自然言語処理、知識処理、機械学習等)と、NTTデータが保有する情報活用ノウハウ・プラットフォームを組み合わせ、フロントオフィス業務およびミドルオフィス業務の支援をはじめ、人型ロボットを介した消費者向けサービスや公共施設におけるコミュニケーション支援サービス等、人工知能を活用した幅広いシステム・サービスの創出等を目的としたものだ。
なお「AIソリューション推進室」は当初、人工知能技術のスペシャリスト20名の体制で活動を開始し、順次体制を拡大していく。
NTTデータは人工知能関連のシステムおよびサービス提供で、2018年度までに累計200億円の売り上げを目指す。
【背景】
近年、急激に技術的進歩を遂げている人工知能は、多様な業界のさまざまな業務に対して知的な業務サポートを可能としている。
また、人工知能によって、従来不可能であった知的なサービスが次々と生まれている。
多くの企業が、このような人工知能の活用動向に注目しており、同社の業務へ応用したいというニーズが高まっている。
NTTデータは今まで、NTTの研究所が開発した音声認識、画像認識、機械翻訳、自然言語処理、機械学習等の人工知能技術を応用した多様な商用サービス・システムをお客さまに提供してきたが、幅広い業界、多様な業務に対する人工知能の適用ニーズの拡大に対しての対応力の強化が必要となっていた。
このような状況に鑑み、今回NTTデータはAIの専門組織として10月1日より「AIソリューション推進室」の設置を決定した。
【AIソリューション推進室の役割】
「AIソリューション推進室」では、NTTの研究所が保有する人工知能技術の活用を通じて、以下の役割を果たす。
- 先進顧客とのPoC注1を通じた、人工知能応用の新サービス・システムの創出
- NTTデータの各事業部と連携した人工知能応用ソリューション企画・開発
- 人工知能に関する社外からの問い合わせの一元的窓口
- 当社の人工知能に関する先進取組の情報発信
【ターゲットとする事業領域】
NTTデータでは、すでに以下のような人工知能の応用を進めている。
今後はお客さまのニーズに応え、さらに高度な人工知能の応用や応用領域のさらなる拡大を進めていく。
- 融資審査やマーケティング分析等のミドルオフィス業務における意思決定・知的判断の支援
- 窓口やコンタクトセンター等の顧客対応業務における手続き、商品等の相談支援
- スマートフォン等のモバイル端末や人型ロボットを介したコンシューマー向け対話型サービス
- オフィス、公共施設、店舗等でのグローバルなコミュニケーションの支援
【今後について】
NTTデータは人工知能関連のシステムおよびサービス提供で、2018年度までに累計200億円の売り上げを目指す。
注釈
注1 PoC(Proof of Concept)とは「概念実証」のことで、新たな概念やアイデアの実現可能性を示すための簡易な試行のこと。
注2 NoSQL DBとは、多様かつ膨大な量のデータを高速かつ動的に整理し、分析することを可能にする非リレーショナルデータベースの総称。
注3 IoT(Internet of things)とは、世の中に存在するさまざまな物体(モノ)が、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。
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