オムロン株式会社は、制御機器事業におけるファクトリーオートメーション技術の開発力強化の一環として、産業用カメラのメーカーであるセンテック株式会社を買収し、同社および同社の子会社をグループ会社化することについて契約を締結した。2017年7月3日に買収を完了し、新会社の社名を、オムロンセンテック株式会社とする予定だという。
センテックは、インダストリー用のマシンビジョン、医療及びラボ等での各種用途のカメラを開発し、グローバルに販売を行う産業用カメラの企業。約200機種におよぶ豊富なバリエーションと、高画質を維持しながら小型化・高速化を追求する高度な摺合せのカメラ設計技術を有している。
オムロンはセンテックをグループの一員に招くことで、これまで未保有であった、超小型・高画質を実現するカメラ、およびその設計・開発技術を取り込み、オムロンの画像処理コントローラーと摺合せることで事業を強化していく。さらには、各種産業用ロボットや品質検査機器と組み合わせ、加工や、組立て、検査などあらゆる生産工程にカメラが取り付けられ画像情報が行きかうことで、品質と生産性を格段に向上したモノづくり現場の実現に取り組むとしている。
近年、新興国の人件費高騰や先進国での高齢化により、生産現場では人手に頼った組立工程や目視検査の維持が困難となる中、高品質を追及する外観検査の高度化やロボットを活用した組立工程の省人化など、人の眼に依存していた工程における高度な自動化ニーズが拡大し続けている。
オムロンは、今回の買収により、センテックの高画質・高速伝送・小型化カメラ設計技術とオムロンの高速・高精度な画像処理技術を摺り合せ、取付け場所を選ばない超小型・高画質な「スマートカメラ」(※1)や、ロボットアームに組み込み、三次元で物体の認識を行いピック&プレースを行う超小型カメラなどを開発する。さらに、カメラと画像処理コントローラーを摺合せ人の眼を代替する新たなオートメーション技術を確立し、過酷な目視検査から作業する人々を解放すると共に、ロボットによる組立工程の省人化や、光学式センサーの簡易カメラ化、品質トレーサビリティにおける製品の個体管理など新たな市場を創出するという。
オムロンは、画像処理センサーなどの入力機器から、各種コントローラー、サーボモーターなどの出力機器をはじめ安全対策機器、各種産業用ロボットまで幅広い機器を有し、それらを組み合わせたオートメーション技術を世界中の生産現場に提供してきた。今回の買収を通じ、オートメーション技術を更に進化させ、製造業各社と共にモノづくりの革新に取り組むことで、長期経営ビジョン「Value Generation2020」(※2)の目標達成に向け、さらなる成長を目指していくという。
(※1)スマートカメラ:食品・医療品・日用品および、自動車部品の検査工程に使われる、カメラ部と画像処理一体型のカメラ。小型で取付け場所を選ばず、簡易な外観検査やコードリーダとして市場が拡大している。オムロンは、カメラ-画像処理分離型の「コンパクトビジョンシステム」の品揃えに加え、今回の買収により、「スマートカメラ」の品揃えを強化していく。
(※2)Value Generation2020(略称:VG2020):2011年から2020年までの10年間におけるオムロングループの長期経営ビジョン。同社ではVG2020の目標達成に向け、事業成長を加速し、グローバルに、多くの顧客へ向けた新たな価値提供に取り組んでいる。
【関連リンク】
・オムロン(OMRON)
・センテック(SENTECH)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。