国際オリンピック委員会(IOC)のトップパートナーの一社であるGEは、ピョンチャン2018冬季大会においてエナジーモニタリングシステム(EMS)を導入する。これはオリンピック競技大会における122年の歴史上で初めてのことだ。エナジーモニタリングシステムはオリンピック競技会場14か所における電力供給や消費状況をリアルタイムで監視および分析するソリューション。これは産業用オートメーション・ソフトウェアであるCIMPLICITY HMI/SCADAおよびHistorianで集められたデータに基づいたシステムで、GEデジタルが構築する。
EMSは、リアルタイムでエネルギー管理を見える化できるほか、オリンピックの試合会場から中継放送する途中で電気系統の問題が起こった場合でも、素早く問題を解決できるように診断することができるという。ピョンチャンオリンピック・パラリンピック組織委員会が使用するメインのオペレーションセンターでは、EMSを導入することで、離れた競技会場のエネルギーの使用状況を毎秒ごとに監視するほか、万が一のトラブルに対応するスピードも大幅に短縮できるようになる見込み。
さらに、EMSは、オリンピック競技会場に配置された無停電電源装置(UPS)とつながり、エネルギー関連のデータを記録する。これにより、オリンピック開催期間中の電力消費量が計測できるようになるため、各競技会場における電力消費量に関する正確なデータを集め、それらを分析に活かすことができる。これらのデータは、東京2020大会や北京2022冬季大会で効率的に設備投資をしてコストを削減するために、「デジタル・レガシー」としての活用も検討されているという。
GEデジタルは、今年10月までにEMSの導入を完了する見通しで、データの集積方法をはじめ、会場のスタッフをサポートするための管理画面の構築など総合的な観点から支援していくとしている。
GEは、2005年からIOCのワールドワイドパートナーとして、ヘルスケア関連技術をはじめ、照明、発電・送配電システムなどインフラ分野からオリンピック競技大会を支援している。東京2020大会では、最新のソフトウェア・アナリティクス技術とインフラ向け産業機器を提供する「デジタル・インダストリアル・カンパニー」として、デジタルの側面からも大会の成功に向けて貢献していくという。
【関連リンク】
・国際オリンピック委員会(IOC)
・GE(General Electric)
・GEデジタル(GE Digital)
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