株式会社ミリメーターは、3Dプリンターをインターネットや社内LANから利用可能にする「3Dプリンタ IoTキット」を本日5月23日に販売開始した。
モノづくりの新たなスタンダードになることが期待される3Dプリンターだが、USBケーブルでパソコンに接続したり、SDカードなどの記憶媒体を使ってデータをやりとりするなど、インターネットに直接つなげることができないスタンドアロンの製品が多く、専門的なスキルを持った人にしか操作できない製品となっていた。
今回発売された「3Dプリンタ IoTキット」は、そのようなスタンドアロンの3Dプリンターをネットワークデバイスに進化させて誰でも利用できるようにするハードウェア。ケーブルをつなぐだけで簡単にネットワークに接続することができ、外出先や別フロアなどの遠隔地から3Dプリンターの稼働状況を映像やログでリアルタイムに把握できるようになる。造形が上手くいかず頻繁にキャンセルされているといった運用課題を管理者が早期発見して改善したり、複数台の3Dプリンターをブラウザーで一元的に管理することによって日常の操作に関わるコストを軽減することができるという。
今年1月から開始した自社の女性向けフルオーダーシューズサービスの木型製作において、5台の3Dプリンターに「3Dプリンタ IoTキット」を導入して運用され、専門的なITスキルを持たない靴職人も3Dプリンターを操作できるようになり、IoT化による製造コストの大幅な削減を実現しているという。
この「3Dプリンタ IoTキット」は、3Dプリンターで最大のシェアをもつオープンソースのRepRap製品を対象としている。また、このキットの筐体自体も3Dプリンターで製作していて、14色から好きな色を選ぶことが可能。Baseセットは、標準カメラ付きで1セット税別55,000円。
「3Dプリンタ IoTキット」の機能は以下の通り。
- ネットワークからの3Dファイル(gcode)のアップロード、印刷
- USBカメラによるリアルタイム中継
- コミュニケーションツールslackへのメッセージ連携 ※
- タイムラプス映像作成(時間間隔指定、Z層移動時の2パターン指定可能)
- 印刷記録の一覧表示 ※
- ホットエンド、ヒートベッド温度設定
- 独自のgcodeスクリプトによるフィラメント交換指示だし ※
- スマホ、タブレット端末用WEB-UI切替 ※
- 印刷コスト計算 ※
- 液晶搭載の3Dプリンタに印刷の状況をパーセント表示 ※
- 出力中gcodeのヘッド軌跡リアルタイム描画
- 現在出力中高さ表示 ※
※印はミリメーターが独自に組み込む機能
大型の追加機能として、フィラメントセンサーによる印刷の一時中断機能の提供を今夏に予定しているという。3Dプリンターで立体物を製作する際の原材料となるフィラメントは1kg毎に交換することが必要だが、材料切れを検知するセンサーを搭載しない3Dプリンターが大半で、材料の無駄とフィラメント交換の待ち時間が避けられない仕組みとなっていた。現在開発中の「フィラメントセンサーオプション」を追加することによってフィラメントを無駄なく使い切れる仕組みを提供し、3Dプリンターの運用を更に効率化していくとしている。
【関連リンク】
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・ミリメーター(MILLIMETER)
・3Dプリンタ IoTキット
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