ベジタリア株式会社は、高精度センシング技術を活用した「水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)」の販売予約を2015年10月14日(水)に開始した。
「水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)」は、水稲における一番重要かつ農作業時間の割合が高い“水管理”に焦点を当てた製品・サービスだ。
近年、全国的な課題となっている登熟期の高温障害への対策など、水管理の重要性はより高まってきている。反面、水田圃場の管理は年々大規模化し農場経営の効率化が図られてきているが、水管理に関しては朝晩の見回りが必要であり大規模化による効率化は図りにくいものだった。
「水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)」は、各圃場に設置することにより、水田の水位、水温、温度、湿度などのデータを自動測定し、遠隔地からスマートフォンやタブレットの専用アプリで確認できる。
同じく専用アプリで提供されるピンポイント天候予測と合わせて活用することで、水稲圃場における水管理作業の効率化を図ることができる。
また、病虫害の発生状況を予測しアラート通知する機能や、収穫時期予測の機能(別途オプション)を利用し早期に対応することで、高品質、多収量の水稲に貢献できる。
「水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)」の設置にあたってはベジタリア併売の「FieldServer-VI(フィールドサーバVI)」を親機として利用することで、多圃場へも比較的安価に導入できる。
また「水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)」は市販の乾電池で1年稼働、「FieldServer-VI(フィールドサーバVI)」もソーラーと二次電池で稼働するので、電源工事などの必要もなく、水稲圃場に簡単に設置可能だ。
2015年4月より、九州大学 南石教授が研究代表者として推進する「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」※における「農業生産法人が実証するスマート水田農業モデル(農匠ナビ1000)」の中で、ベジタリアは、大規模圃場1,000カ所に水田センサを納入した。
その研究中間成果を用いて、水田センサを PaddyWatch(パディウォッチ)として商品化した。
※「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」は、農林水産省の委託により国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)生物系特定産業技術研究支援センターが進めるもの。
水田センサは、2015年5月より実施している実証実験で、稲作の中心となる新潟市約300箇所、および全国38道府県にわたる200箇所以上に設置され、ベジタリアは米づくりに有効なビッグデータ収集網の形成を進めている。
実証では、水位や水温データを個々の生産者が容易にスマートフォンで確認可能になったことによる見回りの作業時間の削減、水管理と水温の把握による栽培技術向上への意識向上と学習促進、各種データから収穫予測への活用などの事例により、現場の米づくりにおいて実際に役立っているといった導入効果が確認され、今後の発展を大いに期待するなどの意見が寄せられている。
水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の知財許諾および自社特許を持つベジタリアの子会社株式会社イーラボ・エクスペリエンスが開発ならびに製造を実施、水田の農業支援サービスをベジタリアが開発ならびに販売を行う。
■水田センサ PaddyWatch(パディウォッチ)の主な特長
1.電源工事不要
市販の乾電池で稼働するため、電源確保が困難な水田圃場において、簡単に設置できる。電池は水稲のワンシーズン取り替え不要で利用可能。
2.センサ精度・安定性
過酷な気象条件下で防水性・防泥制を確保し、水稲栽培に必要な水位をmm単位で測定するとともに、水温、温度、湿度の変化を安定して計測できる。
3.モバイル通信網
株式会社NTTドコモのSIMカードを利用することにより、有線ネット網が利用できない屋外環境においても、安定した無線データ通信が可能。
4.スマートフォンで簡単操作
スマートフォンやタブレットのアプリケーションを利用し、簡単に遠隔地の圃場状態を確認可能。別途オプションにて病害虫の発生しやすい環境条件を事前に予測し早期にアラートを発し、収穫時期予測も可能になる。
<ベジタリア展示会出展情報>
2015年10月14日(水)より10月16日(金)の3日間、幕張メッセで開催される「農業ワールド2015 第2回国際次世代農業EXPO」に出展している。2015年10月14日(水)に、会場において製品の販売予約の受付を開始した。
【関連リンク】
・ベジタリア株式会社
・水田センサ PaddyWatch
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