株式会社ビデオリサーチは、今回3回目となる「Senior+/ex(シニアプラスエクス)サマリーレポート」の最新データ版と、オプションレポート「シニアとデジタル・コミュニケーション」を発刊した。
その中から今回、一部データを紹介するとした。なお、この分析はシニア研究プロジェクト「ひと研究所VRエイジング・ラボ」の知見をベースに実施された。
60代後半まで拡大してきたスマホユーザー比率。ついにガラケーを上回る
ここ数年シニア層のユーザーが増えているスマートフォンだが、直近3年間の推移(東京50km圏)をみると、60代前半は2016年調査時点で、60代後半は2017年調査時点で、スマホユーザーとフィーチャーフォン(いわゆる“ガラケー”)ユーザーの比率が逆転したという。
また、デバイス別のインターネット利用頻度は、PCを毎日利用する人が減り、スマホ・タブレット端末は毎日利用する人が増えている。PCの利用率は男性が高く、女性が低いという差がみられる一方、スマホやタブレット端末のそれには性別による差がほぼないことも分かったという。
「音声検索機能」は若年層よりシニア層での利用率が高い
デジタル関連は、あらゆる調査項目においてシニア層に比べて若年層のスコアが高い傾向にあるが、まったく逆の傾向を示したのが「スマホの音声検索機能の利用率」だという。
若年層の方が低く、シニア層になればなるほど高くなっている。シニア層は身体能力の衰え(老眼や指先の動きの鈍化など)により、モバイル端末での入力操作のしにくさを訴える声も少なくない。
音声による操作は加齢からくる不自由さへの補完が期待でき、実際にこのデータからはそのニーズがあると考えられるという。
昨年来、日本ではAIスピーカーが続々と市場に登場。その機能を利用した見守りサービスなどもすでにいくつか実現化しており、将来的には今以上に音声認識が生活の中で馴染みのある機能として広がっていくのではないかとビデオリサーチは予測している。
同社は、AIスピーカーのターゲットとしてまず狙うべき層は、スマホの音声検索機能を使い、その良さを知っているシニア層なのかもしれないとした。
【関連リンク】
・ビデオリサーチ(Video Research)
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