自動車整備、ドライブレコーダーの販売を行う恵那バッテリー電装株式会社は、同社が開発したLINEを使ってバスの現在位置を確認できるシステム「モークル」の採用実績について発表した。
モークルは2017年8月よりサービスを開始しており、工場や幼稚園児の送迎バスとして採用されている。
また、同社では平成29年度中に1,000台の採用を見込んでおり、他のバスロケーションシステムとの提携についても今後行っていく予定だとした。
幼稚園の園児送迎バスに採用
モークルを導入した幼稚園では、200人以上のLINEの登録者がいて、毎月1万回以上利用されている。送迎バスが運行する時間には、1時間に100回以上利用されている。事例は以下の通りだ。
- 保護者は、バスが近くに来ていることを確認してから、外に出てバスを待つようになった。
- 雨の日や、寒い日、暑い日に園児と一緒に待つ負担が減った。
- バスの到着に合わせて園児と保護者が待っているので、バスも待ち時間が減って、時間通りに運行できるようになった。
企業の社員送迎バスで採用
岐阜県にある製薬会社では、工場で働く従業員の採用が難しいため、昨年から送迎バスを用意し、車が無い人でも働ける環境を用意した。送迎バスを用意したことで、募集条件が有利となり、全国から応募が来るようになったという。
しかし、送迎バスは毎日30人ほど利用していたが、「ダイヤ通りにバスが来なかった」という声が従業員から寄せられていた。冬の夜中、寒い中、停留所で“バスは行ってしまったのでは”“いつ来るのだろう”と思いながら待っているのは、従業員にとって不安や不満になっていた。
そこで、モークルを採用し、バスの現在位置がわかるようになったことで、バスの到着時間まで、暖かい場所で待つことができるようになり、従業員からの不満の声が減ったということだ。
また、北海道石狩市の野菜製品製造会社は、社員の送迎バス3台にモークルを採用している。
同社は24時間365日工場が稼働しており、周囲には工場も多く、従業員の確保のために厳しい競争を行っているため、自家用車などの通勤手段がない方でも働けるようにしている。
冬の北海道で雪や寒さの中、送迎用のバスを待つことは従業員にとって大変だが、モークルを採用することにより、従業員はバスが来るまで暖かい場所で待つことができるようになったという。
モークル特長
スマートフォンのLINEのトーク画面で、“今どこ?”をタップすると、バスの現在位置、速度、進行方向の返事が2~3秒程度で返ってくる。
返ってきた文字をタップすると、地図上にバスの現在位置が表示される。操作がLINEのトーク画面だけで完結するので、利用者は操作を覚える必要がなく、LINEアプリで専用のQRコードを読み取り利用登録をすればすぐに使うことができるという。
実際にこの登録方式を利用することで、導入した企業では社員70名以上が登録、LINEの利用者である20~30代の女性だけでなく、中高年男性でも特別な知識を必要とせず、すぐに使い始めることができるということだ。
IoT技術でバスの事故防止と運行管理
バス用の車載器に通信機能を内蔵したドライブレコーダーを採用している。
一般に販売されているドライブレコーダーと違い、ドライブレコーダー自体がインターネットに接続するIoT技術を採用しており、バスに事故があったときは、20秒間の映像が自動的にサーバに送信されるという。
企業の担当者は事故現場に行くことなく事故の状況を映像で確認することができ、迅速な対応を行うことが可能になっている。また、運行中のバスの現在位置、速度、進行方向などのデータも常に確認でき、バスの遅れなども企業の担当者は確認することができる。
ドライバーの運転を分析する機能も備えているので、急ブレーキ、急ハンドル等の危険運転の傾向を分析して事故を未然に防ぐことができるということだ。
従来より、路線バス会社などは同様のシステムを採用していたが、今回最新のIoT技術とスマートフォンの利用などにより、導入と運用コストを大幅に削減、利用者を増やすことが可能になっているという。
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