【概要】
■2014年の国内PaaS市場規模は336億円、前年比成長率45.8%と急速に拡大
■セールスフォース・ドットコムがトップシェアを獲得。2位以降はアマゾン、マイクロソフト、グーグルが続く
■企業の新規ビジネスをテクノロジー面からサポートし国内ユーザー企業の競争力強化を支援するためPaaSを活用した提案が求められる
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、国内 PaaS(Platform as a Service)市場の2014年の分析と2019年までの予測を発表した。
IDCではPaaS市場を、「クラウドアプリケーションプラットフォーム」、「クラウドデータサービス」、「クラウドインテグレーションサービス」、「クラウド開発/ライフサイクルサービス」の4つの市場セグメントに分類し、市場規模調査を行った。
これによると、2014年の国内PaaS市場規模は、前年比45.8%増の336億4,100万円になった。
市場セグメント別に見ると、クラウドアプリケーションプラットフォーム市場が232億2,400万円(前年比成長率42.7%)、クラウドデータサービス市場が71億3,700万円(前年比成長率61.9%)で両市場がPaaS市場全体の9割を占めている。
PaaS市場は企業の情報系カスタムアプリケーションの基盤としての需要をつかみ、まずクラウドアプリケーションプラットフォーム市場が立ち上がったが、先行して拡大したIaaS(Infrastructure as a Service)とのインテグレーションでの活用やDWH(データウェアハウス)向けのクラウドサービスの登場により、クラウドデータサービス市場が急速に拡大している。PaaS市場はクラウド専業ベンダーにとどまらず多くのITベンダーの注力分野となっており、今後も高い成長が続くと期待される。
2019年に当該市場規模は1,038億円となり、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は25.3%になるとIDCでは予測している。
2014年におけるPaaS市場のベンダーシェアはセールスフォース・ドットコムが1位、アマゾンが2位だった。
Force.comでいち早く市場に参入したセールスフォース・ドットコムが引き続き市場をけん引するポジションを維持している。
2位のアマゾン、3位のマイクロソフトはIaaSとの連携を行いながらクラウドデータサービス市場で高いシェアを獲得している。IBM、オラクルなどの大手ソフトウェアベンダーもPaaS分野の取組みを強めている一方、ビッグデータ処理、IoTのバックエンドとしても有望視されており、市場への注目が高まっている。
「ベンダーの新規参入が相次ぎ、SoE(Systems of Engagement)を活用したニュービジネスの提案は競争の度合いを増している。しかし海外と比較して相対的にニュービジネスに慎重な国内市場におけるユーザーの盛り上がりは十分とは言えない。顧客のシステム運用の効率化を支援するだけでなく、PaaSのような新しい技術を活用し企業の新規ビジネスをテクノロジー面からサポートする新しい形の提案が求められる」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティグループ マーケットアナリストの草地 慎太郎は分析している。
・レポート概要はこちら 国内Platform as a Service市場 2014年の分析と2015年~2019年の予測
<参考資料>
国内PaaS市場 セグメント別 売上額予測、2014年~2019年
※2014年は実績値、2015年以降は予測
【関連リンク】
・ IDC Japan
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