IDC、2018年10月~12月のスマートフォン出荷台数は減少と発表

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IDC Japan株式会社は、国内の携帯電話およびスマートフォン端末の2018年第4四半期(10月~12月)、および2018年通年(1月~12月)の出荷台数を発表した。

国内市場の携帯電話の2018年第4四半期の合計出荷台数は、999.2万台(前年同期比10.2%減)となった。また、スマートフォンについては、2018年第4四半期の出荷台数は988.6万台(前年同期比10.6%減)となった(トップ画像のグラフ※)。従来型携帯電話の出荷の急激な減少は2017年から継続する傾向にある。

この減少の要因としては、アップルのiPhone出荷が前年同期比18.8%減の504.7万台に落ち込んだことが挙げられる。この落ち込みは、iPhone X(2017年第4四半期発売)の後継機種が本年第3四半期に発売されたことに加え、本四半期は消費者の関心が高かったiPhone 8の出荷が一段落した一方で、新機種のiPhone XRがその市場を完全には代替できなかったことなどが要因と考えられる。

他方、Pixel 3やXperia XZ3、AQUOS Zeroといった注目ハイエンド機種の発売が相次いだAndroid陣営も483.9万台の出荷となり、前年同期比0.2%減と伸び悩んだ。本四半期をベンダー別で見ると、アップルがシェア50.5%でトップを維持し、2位は116.6万台を出荷したシャープ(シェア11.7%)、3位は86万台出荷のソニー(同8.6%)、4位に83.7万台出荷のサムスン(同8.4%)、5位は46.8万台出荷の京セラ(同4.7%)となった。

2018年通年の携帯電話出荷台数は前年比でほぼ同水準、0.4%増の3,432.6万台となった。ベンダー別シェアの上位5社は、アップルが1,576万台(シェア45.9%)でトップ、2位は462.7万台(同13.5%)のシャープ、3位は325.4万台(同9.5%)のソニー、4位は251.0万台(同7.3%)のサムスン、そして5位は233.4万台(同6.8%)の京セラとなった。

アップルの出荷台数は前年比0.8%減ながらもほぼ同水準を維持したが、これは2018年第3四半期まで好調な出荷が続いたiPhone 8シリーズによるところが大きいとみられる。また、シャープはAQUOS Senseシリーズが大ヒットモデルとなったことにより、2位を維持した。サムスンの4位入りには、docomo withモデルとして好評を博したGalaxy feelシリーズが貢献しているとみられる。

スマートフォンについては、2018年通年の出荷台数は前年比0.7%増の3,376.7万台となった。2015年以来国内スマートフォン市場は好調な成長を維持してきたが、2018年はその成長がいったん踊り場に差し掛かったと言える。

IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである菅原 啓氏は「通例、アップルの新製品の大量出荷がある第4四半期は年間を通じての出荷がピークとなる時期だが、本四半期は前年同期比でマイナス成長となった」と述べている。

これに続けて、「『端末と契約の分離』政策の今後の進展を見据えた場合、一括購入価格10万円を超える高額端末に対しては消費者の購買意欲が後退する懸念もあり、世界と比べるとややハイエンドに偏重してきた日本のスマートフォン市場が質的・量的にどのように変化していくのか注目される」と結論している。

※従来型携帯電話は含まない。OSにAndroid系を採用している折り畳み式のものもスマートフォンに含む。

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