IDC Japan株式会社は、国内IoT市場におけるユースケース(用途)別/産業分野別の予測を発表した。国内IoT市場におけるユーザー支出額について、2018年の実績(見込値)は6兆3,167億円であり、その後、2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)13.3%で成長し、2023年には11兆7,915億円に達するとIDCでは予測している。(トップ画像)
主要産業分野13業種の内、個人消費者を除く12業種を比較してみると、予測期間を通じ、組立製造、プロセス製造、官公庁、公共/公益、小売、運輸の支出額が目立っており、特に製造業の支出額が突出している。
個人消費者のIoT支出額の成長性は相対的に高い傾向にあり、2023年には組立製造に次いで2番目に大きい市場になる見込みだ。これは、国内外のB2Cビジネスに強みを持つ大手ベンダーが中心となり、ディープラーニングなどの高度なデータアナリティクス技術をIoTと組み合わせることで、スマート家電やスマートホームオートメーションといった分野での新サービスの創出に注力していることなどが関係している。
スマートホーム以外の成長性が高いユースケースとしては、農業フィールド監視、小売店舗内リコメンド、コネクテッドビル(照明)、スマートグリッド/メーター(電気)、テレマティクス保険などが挙げられる。これらは、2018年~2023年のCAGRで20%を超える成長が期待される。

IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストである鳥巣 悠太氏は、「IoTに対する支出額は世界的に高い成長が見込まれるが、それらをユースケースの観点から地域別に比較すると、さまざまな特徴の違いが見られる。したがって、海外で今現在成功しているユースケースを国内向けにカスタマイズして取り入れることで、ベンダーの新しい収益につなげることが重要になる」としている。
また「日本国内において特徴的なユースケースを海外へ水平展開すべく、国内と類似したニーズがある地域を模索することも肝心である。ユースケースの「輸入と輸出」を積極的に進めることが、ベンダーの収益拡大には必須になる」と述べている。
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