BIPROGYと富士シティオは、AI(人工知能)需要予測を利用した発注自動化サービス「AI-Order Foresight」を、富士シティオが食品スーパーの全店舗で導入し、2月から稼働を開始すると発表した。

「AI-Order Foresight」は、販売実績、気象情報、特売企画情報などのデータを基に、小売店舗での日々の商品発注数を自動算出するサービス。従来の自動発注システムは、精度維持で予測モデルのチューニングが必要だったが、「AI-Order Foresight」では、AI自動チューニング機能によってメンテナンスフリーで自動発注の運用ができる。
富士シティオでは、先行導入した店舗で、対象商品の発注作業時間の5割削減と欠品や廃棄削減を実現したという。
具体的には、「AI-Order Foresight」で算出された商品の発注数量を発注端末に毎朝表示し、異常値のみ確認をすることで、作業の削減と精度を向上。新型コロナウイルス感染拡大の影響で起きた環境の変化に対しても、各種のデータから将来の需要予測することで、精度の高い発注数量を算出し現場の効率を改善した。
また、AIを活用した精度の高い発注で、商品の欠品が減少したことで販売機会ロスを防ぎ、同時に廃棄ロスも削減したさらに経験が少ない従業員でも精度の高い発注が可能になり、新しく採用した従業員の早期の戦力化につながった。
富士シティオは、神奈川県を中心に食品スーパー49店を展開する。同社は、グロサリー商品(加工済みの商品や常温で販売できる商品)で自動発注システム方式を導入する一方、日配品(生鮮食品を除く消費・賞味期限が短い食品)では、従業員が手作業で発注作業を行っていた。
また、日配品は、発注数量を従業員が経験から需要を予測しており、精度や発注作業効率に課題があった。同時に、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市場環境や、消費者の購買行動の変化への対応も課題となっていた。
こうした状況の中、発注作業時間の削減と精度の高い発注が実現できることが事前検証で実証されたため、富士シティオでは「AI-Order Foresight」の採用を決めた。
今後、BIPROGYと富士シティオでは、精肉加工品、惣菜、カット野菜など、ほかのカテゴリーに対する「AI-Order Foresight」の展開を計画。従業員の働きやすい環境構築と適正な発注を実現することで、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献、消費者満足度の向上を目指すとしている。
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