ヤオコー、日立などと協創し、需要予測に基づく自動発注システムを182店で稼働

ヤオコーは2月21日、日立製作所、オプティマムアーキテクト合同会社との協創し、AI(人工知能)を使用した需要予測の自動発注システムを導入し、182店舗で2022年11月から稼働を開始したと発表した。

システムは、日立の、データ統合・分析・シミュレーションなどが行えるソリューション「Lumada(ルマーダ)」の「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注サービス」をベースに構築。オプティマムアーキテクトの需要予測と自動発注システムを利用し、売り場利益を最大化するマーチャンダイジング・ソリューション「Category Profit Management(CPM)」を核の技術として活用した。

ヤオコーが導入した自動発注システムの概要図
ヤオコーが導入した自動発注システムの概要図

どの商品を、どこにどのくらい陳列し、いつ販売するかなどの棚割りに関する情報を入力された棚割りシステムと連係しながら、AIが高度な需要予測を行い、それに基づく発注量を決定。各店舗で毎朝、システムで推奨された発注量を確認するだけで発注作業が完了する。

具体的には、30種類のコーザルデータ(変動要因となる要素データ)を分析する需要予測計算を採用しており、これまで難しかった、消費期限の短い日配品の需要や適正在庫を予測が可能。需要は、特売や季節行事などのイベントを加味して予測する。

また、シーズンごとで実施する、商品の入れ替えなどの棚割り計画情報と連携することで、棚替時の垂直立ち上げを支援する。棚割り計画の作成時に登録された商品の棚落予定日に向け、販売ロスを最小化するため、在庫を抑制しながらの発注停止の提案も行う。

非定番商品の売り場展開では、販売期間や棚割りの情報を考慮して発注量を変動できるほか、賞味期限の長い商品については、納品を前倒しして毎日の納品量を平準化する発注数を提案する。

ヤオコーは、埼玉県を中心に関東圏の1都6県に展開する食品スーパーマーケット。同社が、これまで採用していた自動発注システムは、イレギュラーな需要変動や棚割りシステムには対応しておらず、熟練担当者が一定の時間をかけて発注業務を行っていた。

今回、システムを導入したことで、ヤオコーでの自動化率は従来システムの約65%から約98%に向上。発注業務の負担が低減した。また、店舗ごとの棚割りシステムと連係させたことで、特売や商品入れ替えも考慮した発注量を提示できるため、在庫と納品量の削減と適正化を実現した。これに伴い、店舗での品出し作業が軽減し、売り場の業務効率化にもつながった。

ヤオコーは、今後、発注の自動化だけではなく、発注や納品のタイミングをコントロールすることで、店舗での品出し作業を省力化するとともに、物流センターに対し、3日先までの納品予定を提示して店舗への配送遅延を防止する実証を開始するなど、物流部門での効率的な出荷計画策定も検討する。

一方、日立では、今回のサービスを流通分野向け「Lumada」のソリューション群「Hitachi Digital Solution forRetail」の1つとして展開を加速するとともに、物流や配送のデジタルソリューションなどと組み合わせて、小売業、卸売業など顧客に提案していく考え。

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