シノプスは4月11日、生活協同組合ユーコープ(ユーコープ)が、運営する食品スーパーマーケットの全94店舗に、需要予測型の自動発注サービス「sinops」を導入したと発表した。2月から順次稼働する。
「sinops」は、日配品、パン、惣菜にも対応した需要予測型の自動発注サービス。幅広いカテゴリの発注を自動化しており、小売業の生産性を向上と、値引きや廃棄ロスの削減、利益率の改善などが図れるという。サービスは、自動発注のほか、棚割り修正をタブレット端末で行える「sinops-Pad」、売り場やバックヤードの在庫の賞味期限チェックが行える「sinops-Dcont」などをラインナップする。
ユーコープは、神奈川県、静岡県、山梨県に食品スーパーマーケット94店舗を展開する組合員数が約180万人の消費生活協同組合。組合では、グロサリーカテゴリのみ自動発注システムを導入する一方、賞味期限が短く、売り場管理が難しいとされる牛乳、乳製品、豆腐、生麺や生菓子などの日配品カテゴリの自動発注システム導入も検討を行っていた。
そこで、2021年6月から3店舗で、「sinops」を使った需要予測の精度や店舗の発注業務効率化の実証実験を実施。発注にかかる時間を大幅に削減しつつ、期限切れ商品の廃棄で生じる値引きや廃棄ロス率の改善効果を実感したことから、全店に導入することを決めたとしている。
具体的な導入効果では、発注の作業時間を大幅に削減した。グロサリー、日配部門で、目標とした年間稼働時間の5万時間削減を早期に達成。2023年度中に10万時間の削減が実現できる見込みとなった。また、日配品カテゴリは発注システムが未導入で、約3~4人の発注担当者がいたが、1人で業務が完結できるようになったという。
シノプスでは、今後もデータを定期的に収集・分析することでサービスの導入効果を高め、作業効率や売り上げ、利益率を向上する取り組みを引き続き行っていく考え。
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