株式会社アールティは、人と隣り合わせで弁当のおかず盛り付け作業を行う、協働人型サービスロボットのプロトタイプを本日発表した。
開発中のプロトタイプは、弁当工場のベルトコンベアのラインで作業できる人型双腕ロボットで、小柄な成人女性を参考にした130〜150cmの協働人型サービスロボット。
このロボットは、同社が大学・研究機関向けに開発、販売している上半身人型サービスロボット「Sciurus17 (シューラスセブンティーン)(※1)」をベースとし、頭部のカメラで番重と呼ばれる食品コンテナにばら積みされた不定形な弁当のおかずを識別し、アーム・ハンド部がその一つを取り出して弁当箱に盛り付ける機能(特許出願中)を有している。この機能はGoogleのフレームワークTensorFlow(※2)を活用したディープラーニングにより実現。
また柔らかい動きができる機能を開発。さらに、キャスター付でロボットを簡単に移動させることができるため、1時間に3~4種の弁当を休みなく作り続ける弁当製造ラインでも、このロボットであれば担当する盛り付け順番の変更を容易に行うことが可能だという。
今後は弁当工場内にプロトタイプロボットを設置、2018〜2019年中の実証実験を行い実用化に向けた開発を進める予定。また2019年中に量産型モデルを公開、販売予約を開始し、翌2020年中の生産・納入が目標だという。
なお、同プロジェクトは未来創生ファンドならびにみずほキャピタル株式会社からの出資を受けて進めている。
※1 「Sciurus17(シューラスセブンティーン)」
プロトタイプ機のベースとなっている「Sciurus17」は頭部に3次元距離カメラを搭載し、位置・速度・電流(トルク)等の情報により両腕(ロボットアーム)を制御する上半身人型ロボッです。サービスロボットの開発用プラットフォームとして、両手を使うタスクや軽作業の研究用として活用可能。
※2 Google「TensorFlow(テンサーフロー)」
TensorFlowは、Googleが機械学習やディープラーニングの分野で使用するためのフレームワーク(ソフトウェアラ イブラリ)として開発した。YouTubeやGoogle翻訳、音声検索などの技術を様々なロボット開発に活用することを目的としている。
【関連リンク】
・アールティ(RT)
・Sciurus17(シューラスセブンティーン)
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