川崎重工業、TIS、SEQSENSE、藤田医科大学は12月20日、医療従事者の負担軽減・業務効率化を目指す取り組みで、屋内配送のサービスロボットを使った実証実験を藤田医大で開始したと発表した。

今回の実験では、複数フロアに、複数台のロボットを配置。エレベーターやセキュリティドアとロボットを連携させながら、スタッフステーションから検査室までの検体搬送業務や臨時薬剤の配送を24時間体制で行い、複数台のロボット運用時の課題や現場での運用方法を検証する。また、ロボットと人がエレベーターに相乗りする場合の運用方法も確かめる。
4者は、自律走行機能を持つロボットによる同一フロア内搬送の検証と人のエレベーター操作の補助あり別フロア移動を検証する「フェーズ1」、自律走行機能・エレベーター連携機能を持つアーム付きロボットによる別フロア間搬送を検証する「フェーズ2」、サービスロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証、ロボットの荷室サイズや構造、使い勝手を検証する「フェーズ3」の1回目の実験をすでに実施。

ロボット本体は、「フェーズ3」での1回目の実証実験を行った際に、ロボットの導入が想定される現場スタッフから寄せられた要望を反映し、荷室の扉位置の見直しやICカードによるロック機構を設けるなど、走行の安全性を確保しながら、より使いやすくするための改善を施した。
また、今回の実験では、複数のロボットとエレベーターなどのインフラ設備との相互連携を実現するためにTISのマルチロボットプラットフォーム「RoboticBase」を活用。そのほか、複数台のロボットを運用することによるロボット同士の干渉の対応で、SEQSENSEのロボット制御技術を利用する。
今回の実験は「フェーズ3」の2回目で、最終段階になる。4者は実験で、エレベーターやセキュリティドアなどのインフラ設備との連携を含む、ロボットを24時間連続で運用する上での課題などを確認した上で、今後、藤田医大でのロボット導入のトライアルサービスを2022年度内の開始に向け最終準備を進める。
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