ミサワホームグループで高齢者の住まいに関する情報提供と相談業務を手掛ける株式会社ニュー・ライフ・フロンティアは、認知症予防や健康寿命の伸長などが期待される赤ちゃんロボット「スマイビS」を、今月より高齢者や介護事業者向けに販売する。近年、癒しの創出や高齢者の介護支援といった目的でさまざまなロボットの開発が進んでおり、高齢者向けコミュニケーション型ロボットの市場規模は、2021年には14年比3.4倍の17億円に達するとみられている(※1)。
「スマイビS」は1歳前後の乳児を想定して開発された赤ちゃんロボットで、他の高齢者向けロボットとは異なり、あえて会話機能を持たせていない点が特長の一つ。実際の赤ちゃんの笑い声や泣き声を使用しているため癒し効果が期待できるほか、「スマイビS」の表情や声などからその感情を自分なりに解釈したり、「お世話をしたい、面倒を見なくてはならない」という意識が芽生えたりすることによって認知症予防にもつながるよう開発された。被験者向けに実証した結果、認知症を進行させる要因の一つである「うつ状態」の改善が見られたという(※2)。
「スマイビS」にはマイクや加速度センサーが内蔵されており、使用者の声の様子や抱き方に応じて笑ったり泣いたり、首を振ったり、くしゃみをしたりとさまざまな反応をする。また、実際の乳児よりも軽く小さいサイズにすることで、高齢者でも抱きやすい工夫が施されている。付属のアダプタを耳に差し込むだけでバッテリー充電ができたり、ダイヤル式のつまみで電源のオンオフや声の大きさ調整ができるなど、操作性にもこだわったという。
「スマイビS」は、ニュー・ライフ・フロンティアが運営する「有料老人ホーム・介護情報館」の館長である中村寿美子が監修を手掛けた。介護業界において25年にわたる豊富な経験をもつ中村は、その経験をベースに高齢者が求めるニーズを「スマイビS」に数多く盛り込んだという。なお、製造は自動車部品メーカーとして高い品質管理体制を持つ株式会社東郷製作所が担当する。
※1:株式会社富士経済「Welfare関連市場の現状と将来展望 2016」より
※2:中京大学工学部 加納政芳教授と東郷製作所が産学連携により実施した開発段階での実証評価より
【関連リンク】
・ミサワホーム(MISAWA HOMES)
・ニュー・ライフ・フロンティア(NLF)
・東郷製作所(TOGO)
・富士経済(FUJI KEIZAI)
・中京大学工学部(School of Engineering Chukyo University)
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