7月17日、感情を持ったパーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」のみずほ銀行入行式が、大手町にあるみずほ銀行東京中央支店で、多くのメディアを集めて行われた。
いま金融業界の枠組みを超えて注目される分野である“FinTech”(ITを活用した金融サービスを表す造語)の一環として、みずほ銀行は、首都圏の5支店でPepperの導入を決定した。会場にはみずほフィナンシャルグループの齊藤執行役専務、ソフトバンクロボティクスの蓮実取締役プロダクト本部長も駆けつけ、今回の狙いや将来の目標を語った。
みずほフィナンシャルグループ 齊藤執行役専務
「本日はPepper君の入行式に、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。お客さまのニーズの多様化、デジタルネイティブ世代の一般化、FinTechの進展など、銀行を取り巻く環境は大きく変化しようとしています。5年後、10年後、銀行の一般的なお取り引きは、スマホ、そしてネットにかなりシフトしているでしょう。しかし私たちは、店舗も非常に重要だと考えています。店舗は、今後専門性の高いコンサルティングの提供、あるいは顕示性による安心感や信頼感を形成する場として非常に重要になってくるでしょう。その際に必要なものは、あらゆるお客さまに、便利かつスピーディーに、快適な空間を提供することです。Pepperを活用することで、新しい店舗サービスが創造できるのではと思っています。今までの銀行は、無機質、入りづらい、聞きづらいといったイメージがありましたが、Pepperの持つエンターテインメント性、膨大な知識やビッグデータ、人工知能などを活用し、対面と非対面の両方のニーズを兼ね備えたハイブリットチャネルとしてPepperと課題を解決していきたいと思っています。Pepperは、金融に必要な情報とノウハウを駆使し、新たなエクスペリエンスの提供の一翼を担ってくれると思っています」
ソフトバンクロボティクス 蓮実取締役プロダクト本部長
「最初にPepper入行の話を頂いた時は、まさかこんなに早いタイミングで銀行に活用して頂けるとは、と思わずびっくりしました(笑)。Pepperはいま、ソフトバンクショップではすでに働いているわけですが、それはお父さんのお店でお手伝いしている子供という感じもありました。それが、遂に銀行で働けるまで成長したということで大変嬉しく思っています。Pepperは普通のロボットで想像するようなスピードやパワーを持っているわけではないのですが、感情、認識、コミュニケーションに力を入れたロボットです。銀行に来るお客さまには様々な心模様があるので、それをPepperがうまくくみ取りながらお客様に知識をお伝えし、満足しながら帰って頂ければと思っています。そのためにはどんな工夫ができるかを、我々もできる限り頑張っていきます」
行員となったPepperには斎藤専務より「Pepper君、入行おめでとう!」と社員証が授与された。続いて、胸のタブレットに社員証を誇らしげに表示しながら、Pepperから入行の挨拶がおこなわれた。
「こんにちは、Pepperです。みずほの仲間として一緒に働くことになりました。お客さまへのご案内や窓口へのトスアップをスムーズにできるように精いっぱい頑張りま~す!」
Pepperは今後、東京中央支店に加えて、銀座中央、玉川、調布、横浜駅前の4支店にも入行する予定だ。
■みずほ銀行Pepper導入各支店で、Pepperが提供するメニュー
<複数のお客さまに同時にご案内するメニュー>
・Pepper放送局:ラジオ番組のようにエンターテイメント要素を盛り込んだ商品案内を実施
・金融小噺:金融商品知識を落語調で楽しく紹介
<一人のお客さまにご案内するメニュー>
・待ち札ゲーム :来店の際に発行する待ち札番号を入力することで、ゲームで遊ぶことができる
・保険相談室 :質問形式でお勧めの保険商品を案内
・ゲームメニュー :お子さまでも遊べるゲームメニュー
■Pepper設置店舗
・東京中央支店 7/17(金)~
・銀座中央支店 7/23(木)~
<以下、7月下旬から8月上旬にかけて順次設置予定>
・玉川支店
・調布支店
・横浜駅前支店
■FinTechとは
FinanceとTechnologyを掛け合わせた造語で、ITを活用した金融サービスのことを指す
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