2015年8月1,2日の二日間、東京ビッグサイトでMaker Fairが今年も開催された。
年々盛り上がりを見せるこの電子工作イベント。今年は去年にも増して熱気にあふれた会場には、親子連れも多く、大手メーカーから個人的な制作物まで多くのIoTが並んだ。
そもそもMaker Fairのスタートは、「Make」という、アメリカ発のテクノロジー系DIY工作専門雑誌として2005年に誕生したことを端に発する。
その後、アメリカ西海岸のサンマテオで初めてのMaker Fairが行われてから、デトロイト、カンサスシティ、ニューカッスル(イギリス)、ローマ、東京と世界各国の技術愛好家、クラフト作家、農家、科学者、ガレージの機械いじり愛好家など多岐にわたり、年齢も経歴もまちまちの人に愛されている。
今年のMaker Fairでは、様々な基盤、ロボットが目に付いた。
特に基盤は基本モジュールやセンサーを簡単に組み立てられるというものが多く、初心者やちょっと始めてみたいと思うような人にとっては敷居が格段に低くなってきたと言える。
中でも、LitteBitsは、モジュールの端に磁石がついていて、くっつけるだけで電子工作ができるようになっている。
例えば、電源ユニットとLEDランプをつないでいる例だが、LEDランプの下部についているつまみを操作するとRGBで色を変えることもできる。
Agile EYEとなづけられた、下のモノは、追尾カメラで写真の赤いボールを追いかけて映像に映し出す。ボールを例えば左右に揺らすとカメラが微妙な動きを調整し、追尾するのだ。
さらに、こういった基礎技術を応用しロボットにまで仕上げていくものも多く展示されていた。
ロボットアバターと名付けられたこのロボットは、3Dプリンターで作ったバーチャルリアリティのヘッドマウントディスプレイ(実はこれも下の写真のように自作)で、ロボットのみる風景が自分でも見ることができる。
加速度センサーが付いているので、自分が首を振るとロボットも同期して首を振った方向の映像が見えるようになる。
ロボットなのに、音楽を生演奏するという、一見矛盾しているようなロボットもいた。
さらに、植物の気持ちがわかるというモノまで展示されていた。
みずをあげると、センサーが検知して、ありがとう!とつぶやく。
アイデアは無限に広がり、様々なものが生まれる。
一日中いても飽きない展示会だった。
IoTはエンジニアが生み出すアイデアがすごく大事で、こういった面白いアイデアを育てていく環境をもっと整えていくことが重要なのだと強く感じた。
また、これほど面白いものを作り出しているのだから、ぜひ世界の展示会でも展示して日本発のIoTを生み出していってほしい。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。