CYBERDYNE株式会社(以下サイバーダイン社)と株式会社PEZY Computing(以下ペジーコンピューティング社)は、小脳処理機能と学習型汎用AI(人工知能)の共同開発を主とした業務提携を前提とする資本提携を行ったことを発表した。
本提携により、サイバーダイン社とペジーコンピューティング社は、サイバーダイン社のロボットスーツHAL®向けに適用が可能な小脳処理機能と学習型汎用AI(人工知能)の共同開発に関する具体的協議を行い、ペジーコンピューティング社の省電力型メニーコアプロセッサ技術と信号処理技術を応用した、適応学習型小脳機能と学習型汎用AI(人工知能)開発を含む様々な応用を検討して、サイバニクス技術を駆使した革新的サイバニックシステムの強化と世界初のサイボーグ型ロボットであるロボットスーツHAL®の更なる機能向上を推進する。
これにより、HALを装着した利用者の小脳機能や医師の指示に従う知能を備えた学習型HALが実現できたり、職場や生活環境で安全かつ柔軟に機能する学習型汎用AIを備えた様々なロボットが実現できたりするなど、革新的サイバニックシステムの新しい展開が可能となる。
【業務提携を前提とした資本提携の背景】
サイバーダイン社は、2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立して以来、サイバニクス技術を駆使した世界初のサイボーグ型ロボット「ロボットスーツ HAL®」を開発するとともに、その後も医療・介護福祉・生活分野(職場環境を含む)等で活用されるロボットやバイタルセンサーなど革新的サイバニックシステムの研究開発・製造・販売および製品を利用したサービスの提供を行っている。
ペジーコンピューティング社は、ポータブル医療用診断装置を含む産業機器への組込み用途と、高性能スーパーコンピュータにも適用可能である、世界最高水準の高性能省電力型メニーコアプロセッサとその周辺ソフトウェアとシステム開発を行っており、これを応用したAI(人工知能)開発も重要な開発計画として位置付けコア技術の開発を推進している。
ペジーコンピューティング社が2012年に開発したMIMD型では世界最大規模となる1,024コアのメニーコアプロセッサ「PEZY-SC」は、現在の並列処理コンピューティング分野で主流であるSIMD型と比較して、同時に多種多様な演算処理を多並列に行え、柔軟な処理を可能とする優位性を有することから、運動と姿勢制御に大きな役割を果たす高性能な小脳機能の高度な実現に対して期待が寄せられている。加えて、「PEZY-SC」が有する顕著な省電力性は、バッテリー駆動を前提とするロボットスーツなどへの適用が見込まれていた。
サイバーダイン社が開発する、サイバニクス技術を駆使したロボットスーツHAL®は、現時点でも高度で複雑な信号処理技術が導入されているが、更に進化した次世代のロボットスーツHAL®では、人間の小脳と同等以上の信号処理性能と反応速度と適応能力を有した小脳機能が実装されることで、ロボットスーツの適用範囲が大きく拡がり、利用者の身体機能や外乱に高速に適応する能力が大きく向上することなどにより、更に高度な使用と安全な運用が可能になるものと期待される。
サイバーダイン社とペジーコンピューティング社がそうした適応学習型の小脳処理機能と学習型汎用AIを共同開発して、実際に小脳処理機能を実装したプロセッサ開発を進めることで、次世代ロボットスーツの開発が早期に実現することが期待されるため、そうした共同開発を中心とした業務提携を前提とした資本提携を締結した。
また、サイバーダイン創業者で代表取締役社長の山海嘉之と、ペジーコンピューティング創業者で代表取締役社長の齊藤元章のそれぞれが次世代のAI(人工知能)開発に関しての計画を有することから、これらを共同で開発して行くことになる。
【業務提携を前提とした資本提携の内容】
(1)2015年7月10日にサイバーダイン社からペジーコンピューティング社に対して出資を行い、ペジーコンピューティング社の安定的な研究開発の推進に寄与。
(2)サイバーダイン社とペジーコンピューティング社が2社間の業務提携の検討に関する覚書を締結し、ロボットスーツHAL®向けの小脳処理機能を含む信号処理技術、ロボットスーツHAL®向けの小脳機能を実装したプロセッサの共同開発を推進する。
(3)サイバーダイン社の次世代技術開発について、必要に応じてペジーコンピューティング社からの技術開発サービスを提供する。
【関連サイト】
CYBERDYNE株式会社( http://www.cyberdyne.jp/ )
株式会社PEZY Computing( http://www.pezy.co.jp )
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