NTTデータと住環境研究所、在宅高齢者向けコミュニケーションロボット「Sota」の実証実験を開始

株式会社NTTデータと株式会社住環境研究所(以下、JKK)は、5月17日より、一般住宅等において、コミュニケーションロボット「Sota」が高齢者の生活改善に効果があるかを検証する実証実験を開始する。今後、同実証実験の結果を基に、高齢者の生活改善および同居家族や介護スタッフの負担軽減を目的としたコミュニケーションロボットを用いた製品を開発し、2017年度中をめどに商用化を目指すとしている。

日本の高齢化率は2025年に30%を超え、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計され(注1)、今後、介護人材不足や在宅での介護の増加が見込まれている。この課題解決に向けて、NTTデータでは、コミュニケーションロボットと要介護高齢者との対話を用いた介護支援サービスを検討してきた。JKKは東北大学加齢医学研究所などと連携し、脳の育成、活性と住まいや暮らし方の関係性について、調査および研究を行ってきた。

今回の実証実験では、ヴイストン株式会社の「Sota」を利用し、NTTデータが開発した高齢者向けコミュニケーションロボットを積水化学工業株式会社が販売した住宅や、セキスイオアシス株式会社が運営するサービス付き高齢者住宅とデイサービス施設に導入し、検証を行う。コミュニケーションロボットが高齢者の会話促進および健康的な暮らしに寄与するという仮説を立て、その有用性に関する検証を行うという。

実証期間
  • 5月 事前調査
  • 6月~8月 ロボット設置、データ取得
  • 9月~10月 データ分析、効果検証
実施場所
  • 個人宅(戸建住宅、サービス付高齢者住宅)
  • デイサービス施設(オアシスセンター)
対象者
  • 戸建住宅居住者(自立・独居の方)、サービス付高齢者住宅居住者、デイサービス利用者(介護保険利用)
検証事項
  1. 高齢者の会話促進とその増加の有無
  2. 生活状況(食欲、運動(活動量)、睡眠、意欲)の改善・促進の有無
  3. コミュニケーションロボットが高齢者に好感をもって迎えられるか

コミュニケーションロボットの特長は以下の通り。

  • NTT研究所の「corevo」(注2)関連技術を実装し、音声認識、対話制御、音声合成の各機能を有する「クラウドロボティクス基盤」(注3)を、インターネットに接続することで利用
  • 高齢者が楽しんで会話できるようなシナリオをNTTデータが開発
  • 一定のタイミングで「水分を補給しましょう」などと呼びかける機能があり、高齢者の行動を促し活動意欲を引き起こすことが可能

NTTデータと住環境研究所、在宅高齢者向けコミュニケーションロボット「Sota」の実証実験を開始

「話食動眠」とは、「生涯健康脳」を維持するためにJKK(生涯健康脳住宅研究所)が掲げているコンセプトキーワードであり、会話・趣味、食事、運動、睡眠のこと。会話が増えると、食事が美味しくなり、活動的になり、よく眠れるようになり、一巡してさらに会話が増えるといった生活の好循環を作り出すと考えられている。今回の実証実験では、会話が促進されることが高齢者の生活全般の改善に寄与することを期待しているという。

NTTデータと住環境研究所、在宅高齢者向けコミュニケーションロボット「Sota」の実証実験を開始

注1 出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
注2 R&Dで培った人工知能(AI)を活用した取り組みの総称で、さまざまなパートナーとのコラボレーションを加速させるNTTグループの統一ブランド。
注3 クラウドロボティクス基盤とは、ロボットやセンサーデバイスを連携させて、利用者や環境状況を正しく認識し、高度な知的処理を行うNTTデータが研究開発を進めている基盤。

【関連リンク】
NTTデータ(NTT DATA)
住環境研究所(JKK)
ヴイストン(Vstone)
積水化学(SEKISUI CHEMICAL)
セキスイオアシス(SEKISUI OASIS)

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