2015年11月6日に、SoftBank Technology Forum 2015が虎ノ門ヒルズで開かれた。その会場で、M-SOLUTIONS 取締役 植草氏からPepperの活用ポイントと最新事例の紹介があった。
Pepperを簡単設定 Smart at Robo for Pepper
Pepperというと話題のロボットなのでご存知の方は多いと思うが、実際にPepperを動かそうとするとChoregraphという専用のソフトに各種設定をしていく必要がある。

このソフトには、Pepperを動かすための準備がされていて、下図にあるようなブロックを組み合わせるだけでPepperを動かすことができるのだ。
例えば、Pepperに喋らせるというようなことは、この「話す」と書かれたブロックをChroregraph上に配置して、喋らせたい言葉を登録するくらいだ。
しかし、単に喋らせるといっても、「日本語を自然なイントネーションで話をさせるのは簡単ではない」という。
例えば、あいずちを打たせたいとおもったとき、「そうそう」なんていうことがあるが、単純に「そうそう」と登録するとイントネーションがおかしいので、「曹曹」と書くようにするそうだ。
また、動きを複雑にしたり、インターネットと接続した複合的なサービスを作ろうとしたときもプログラミングの知識が必要になるので、正直高いお金を出して購入した企業が自由に使えるはずのロボットなのに、好きに使おうとすると時間とお金をかけて設定できる企業にお願いしなければいけない状態であったという。
こういったノウハウは日々Pepperの設定をしているパートナー企業蓄積されている状態だが、今回説明されたのは、大したシステム知識がなくてもPepperを設定・活用できるサービスだ。
このサービスは、ブラウザ上のフォームに言葉や命令を簡単に登録するだけでよいという。
実際に、上の写真のように展示会の会場で使った例の説明があった。この例では、簡単なアンケートを作成し、集計もできるというものだ。
動きと声で来客の興味を引き、アンケートに回答してもらう。会場の案内なども同時に行うことができるというのだ。
このようなアンケートに回答してもらうと、回答結果はブラウザ上で見ることができる。
植草氏によると、「ペッパーをつかうにはコミュニケーション主体のロボットで、「話す」「見せる」「動く」ということが主にできる。今回のサービスで複雑な設定などはしなくても(法人企業が主に使いたい機能が)簡単に設定できるようになる。」ということだ。主な使い道として以下のものをあげた。
- 店舗ショップで、タイムセールなどの呼び込みなどができる
- イベント・展示・セミナーで、司会がやっているような案内などができる
- オフィス・受付、案内などができる
実際SoftBank Technology社を訪問しても受付にPepperと連携した受付管理システムがあるということだ。
このPepperを簡単に設定・活用できるサービスの詳細は、Smart at Robo for Pepperを参考にしてほしい。
サイネージとも連携するPepper
イベント会場にPepperを置いて案内をしたり、展示の説明をさせたりしたいという要望は多い。しかし、Pepperに付けられているディスプレイはiPadサイズなので人だかりができたりすると見ずらいという難点がある。
そこで、デジタルサイネージと連携するサービスも発表された。
複数のサイネージとの連動も可能ということだ。
毎月1,000台ペースで販売が伸びているといわれるPepperだが、簡単な挨拶程度の置物として眠っているものも多いのではないだろうか?
今後は、どんどん活用して集客やコスト削減などに活用していってほしい。
※植草氏に個別インタビューをさせていただいたので、後日公開する。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。