内田洋行ビジネスITフェア2024

「顔認証」で買える杭州KFC、キャッシュレスの先にある購買行動

国内ではキャッシュレスというとQRコード決済が話題となっていて、現金の代わりというイメージがあるが、中国では小売店におけるスループットの解決が進んでいる。

アリババの街、杭州のKFCでは、単純にキャッシュレスというだけでなく、顔認証で購入ができる「Smile to Pay」という動きが登場している。

顔認証決済「Smile to Pay」の流れ

アリババ KFCの顔認識Smile to pay

この顔認証決済は、以下の流れで行う。

  • 利用者は来店すると、キオスク端末で商品を選ぶ
  • 支払い画面で顔認証を選択すると、キオスク端末上部のカメラで顔認証を行う
  • 顔認証が終わると二要素認証としてケータイ番号を入力
  • テーブルに呼び出し器を置いておくと、商品をスタッフが持ってくる

これまでであれば、アプリを立ち上げQRコードを表示する、あるいは、店舗側が提示したQRコードを読み取るためにカメラを起動させる必要があった。

しかし、この方式であればアプリなどを立ち上げるどころか、スマートフォンすらいらない。

顔認識の技術には、写真などではごまかせなくしているだけでなく、複数の人が写っていたり、化粧や髪型が登録時と異なる場合でも正確に認証することができるのだ。

この顔認識技術は、Megvii technologiesが提供している。

さらなるスループット向上の先にある消費者の利便性

現状杭州で行われている実証実験としては、顔認証の世界だけだ。

しかし、すでにKFCは国内でも事前決済サービスを提供している。

事前決済サービスでは、スマートフォンからあらかじめ注文と決済を済ませておき、指定時間に取りに行くということができるので、店頭で待つ必要がなくなる。逆に店舗からすれば、単位時間当たりのスループットが向上する。

しかし、この方式の場合、時間前には作ることになるので「出来立てほやほや」とまではいかなくなるだろう。

そこで、あらかじめスマートフォンでオーダーした顧客が来店した際、この顔認証システムで認証を済ませると、すぐに調理を開始、温かいものを受け取るという流れが実現できれば、さらに顧客満足度は向上するはずだ。

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