日本マイクロソフトと大成建設、AI・IoTを活用した施設運用・保守事業における協業を発表

施設統合管理システム

2点目は施設統合管理システムである。

まず担当者は「大成建設が20年以上の提供実績を「CAFM(Computer Aided Facility Management)」という施設情報の管理システムと、BIM(Building Information Modeling)を統合した次世代の施設統合管理ソリューションを実現した」と語る。

「CAFM」とは施設・資産管理業務のためのデータ、例えば図面や書類の写真、CADデータといったものを関連付けしてデータベース化することで一元的に管理するシステムのことだという。

一方「BIM」はコンピュータ上の仮想空間に施設の構成要素、例えば柱・壁・部屋などを3次元のモデルとして配置して、各要素に属性情報を持たせることで現実の施設情報を再現する技術だそうだ。

日本マイクロソフトと大成建設、AI・IoTを活用した施設運用・保守事業における協業を発表

例えば上記の図はある病院施設を写したものである。配管設備の情報(左上の写真)と建築構造の情報(左下の写真)があるが、この2つの情報を右上の写真のように統合できるなど、必要な情報が一元化されて開示できるのが「BIM」だという。

「CAFM」と「BIM」の解説を終えた後、担当者は下記図を用いて、大成建設が提供する施設統合運営管理ソリューションのイメージを説明した。

日本マイクロソフトと大成建設、AI・IoTを活用した施設運用・保守事業における協業を発表

図の左側、青色で囲っている部分は元々、大成建設が得意とする施工段階の情報になる。これをFM用BIMモデルとして再統合し、それを施設統合運営管理システムに納める、というのが大まかな流れだという。

「施設統合運営管理システムにはまずBIMがあり、これを情報をとして取り扱うデータベースがある。対象としているユーザーは、維持管理業務に従事している人、あるいは施設利用者、施設所有者である」と語り、担当者は説明を終えた。

生産施設従業員の作業状況の見える化

3点目は生産施設従業員の作業状況の見える化についてである。

「生産施設」とは、つまり工場のこと。担当者は「人の効率化を最大限にすることで、工場全体の効率化を図ることができる。ここでは「人」をキーワードにして着目することで、このソリューション開発を検討した」と話し、人の状態をセンシングするソリューションとして大きく3つの事柄に取り組んだことを説明した。

日本マイクロソフトと大成建設、AI・IoTを活用した施設運用・保守事業における協業を発表

1つは生体データ。「人の体調・心拍・姿勢などを検知して健康状態を見守ることはできないか」を目的として、バイタルセンサーを使ってセンシングするという。

2つ目が位置データ。「スマートフォンなどを用いて、人がどの位置にいるのかを把握する。そして人の動線もセンシングし、「熟練作業者の動きはこのようになっている」といったデータを取得する。それによって作業の効率化や、生体データを合わせることで作業ごとの緊張度を見て、作業体制を見直すことなどができる」という。

3つ目は作業環境データ。「温湿度だけでなく、有毒ガス、酸素濃度やトルエン濃度などのデータも取得し、作業員に避難指示を出す」といった活用を検討しているという。

このように3つのデータを統合し、日本マイクロソフトの提供する「Azure」にデータを挙げて管理者および従業員が容易に確認できるようなシステムを構築するそうだ。

3つのデータについて説明した後、担当者はこのシステムの目的について改めて述べる。

担当者によれば「品質の向上と生産の効率化に向けた取り組み」であるとし、以下の2つの項目を挙げた。

・作業状況の把握、行動分析などによる作業効率の向上
・1人作業における従業員の見守り、安全管理

担当者は今後の展開について「BIMの情報やエネルギー管理システムなど、ゼネコンの強みである情報と組み合わせて更なる価値を生みたい。また、大成建設は製造管理システムの導入も行っているので、生産計画や製品情報などと組み合わせることで、より顧客のニーズに合った効率化の提案ができるのではないか」とし、運営・メンテナンス領域で活用される工場ライフサイクルソリューションを目指すことを語った。

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