昨今、企業では、データマーケティングを積極的に進められている。しかし、データやマーケティング理解の難易度やシステム・インフラの選択肢の多さ、分析や実行のための人材スキル・キャパシティ不足などのため、成果を上げている企業はごく一部に留まっている。
企業は、「分散するデータを統合したい」「データ活用でビジネス成果を上げられるかどうか検証を行いたい」「これまでのデータ活用のやり方では成果が頭打ち」「AIのモデルがうまく作れない、もっと高頻度に使いこなしたい」といった様々な課題に直面している。
このような課題に対応するため、凸版印刷株式会社とTIS株式会社は、凸版印刷が提供する「スコアリングエンジン KAIDEL」と、TISが提供する「TIS Marketing Canvas データ統合・利活用プラットフォームサービス」を融合し、企業のデータマーケティング実施に必要な基盤と周辺の支援サービスを共同で提供する。同サービスを活用することで、オフライン・オンラインのデータをDMPで統合・管理して、AIを用いてマーケティング施策の精度向上に貢献する。
凸版印刷の「スコアリングエンジン KAIDEL」は、機械学習の技術を用い「プロモーション反応予測」「優良化予測」「離反予測」など、顧客のさまざまな将来の見込み度を自動的に予測するデータ分析サービスだ。
一方、TISの「TIS Marketing Canvas データ統合・利活用プラットフォームサービス」は、構造化・非構造化データに関わらず、あらゆるデータを投入できるデータマネジメントサービスで、プライベートクラウド環境として構築し、シンプルでセキュアなデータ利活用を実現するサービスである。
この2つを融合した新サービスは、統合的に管理されたデータをAIによって高精度に予測し、企業の保有するデータ価値をより高められるデータマーケティング基盤をスピーディに構築できるサービスだ。複数のデータ統合・管理から、データ処理、AIによるスコアリング(予測)まで、データ価値化のプロセスをワンストップで提供する。特長は以下の通り。
- オフライン、オンラインさまざまなデータをDMPでセキュアに統合・管理
オフライン系の顧客情報、購買情報やオンライン系のWeb会員情報、アクセス情報、EC情報などさまざまなデータをスピーディかつセキュアに統合管理する。オフライン・オンラインにまたがる顧客行動を横断的にとらえて、マーケティングに活用できるデータを整備する。 - データマーケティング実行のための煩雑なデータ加工・成形を効率化
データマーケティングを実行していくためには、多岐にわたるデータを必要な形に加工・成形していくことが必要不可欠だ。ETL(Extractデータ抽出/Transformデータ変換・加工/Loadデータロード)ツールを用いて、煩雑なデータ加工・成形を効率化することが可能だ。 - AIによる高精度の予測をスピーディに実現
従来、専門的な知識やスキルが必要だった、AIによるスコアリングを自動化する。これにより「プロモーション反応予測」「優良化予測」「離反予測」など、顧客のさまざまな将来の見込み度を高精度に予測が可能になる。 - データマーケティングを成功に導く、構築から実行までのトータル支援機能を提供
DMP構築におけるデータ設計支援やデータ加工・成形支援、機械学習モデルの設計支援など、効果的にデータを利活用するためのさまざまな支援サービスを提供する。また、凸版印刷が提供している、MAコマンドセンター(※)を用いたオンライン施策や、DM、コールセンターなどのオフライン施策など、さまざまな施策実行・運用についても支援可能。データマーケティングをトータルでサポートする。
両社は、同サービスを金融業界、流通業界、通販業界、エネルギー業界など向けに共同で展開していく計画だ。
※ 凸版印刷が2017年7月から本格展開している、高いセキュリティ環境下でMA(マーケティング・オートメーション)運用が可能な施設。生体認証、入退場管理、監視カメラ、ネットワーク管理といった物理的セキュリティと、運用ルール・セキュリティ教育といった人的セキュリティも含め、安心・安全は運用環境を構築している。
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